
- 1: Mystery 19:31:34.25 ID:wdj9EVb20
- 生きている脳 筒井康隆
金持ちの男が不治の病でシの床にあった。
医者は彼に言った。
「脳だけを取り出して、培養液に浸けて置けば 理論的には何百年も生き続けることができますよ」
そのうち技術が進めば、目や耳などの感覚器官の代わりになる機械も サイボーグの手足も開発される。神経にそれを直接接続すれば 元気な体がもう一度手に入る。
それまでは培養液の中でのんびりと 待てばいいのだ。
医者の甘言に乗せられ、男はそれを承諾した。
手術は無事に終了し、彼の脳髄は培養液の中に静かに浮かんでいた。
傍目にはのんびりと、安らかにたゆたっているように見えた。
術後、意識を取り戻した彼は全身の激痛に戦いた。
彼の脳髄から伸びる神経線維は全て途中で断ち切られ、ネ果のままで 培養液に浸されている。それが彼には全身の激痛となって感じられるのだった。
叫ぼうにもそのための口も声帯も無い。
状況を知ろうにも見るための目が無い。
誰かに話を聞こうにも、聞くための耳すらもちろん無い。
誰にも助けを求めることすらできないまま、いつまで続くのかもわからない
痛みの中で、彼は医者の言葉を思い出していた。
「理論的には何百年も」
- 2: Mystery 19:32:37.41 ID:wdj9EVb20
- 1982年:東京都八王子市の歯科診療所で、 フッ素塗布液のNaF(フッ化ナトリウム)とHF(フッ化水素酸)を間違えて塗布し、 診察台から2mもハネ飛んで幼児急シ(4.20)
これ、塗布された瞬間に女児が大騒ぎして暴れだしたので、 治療していた歯科医が、付き添いでそばにいた母親と助士に女児を押さえている様に言って、 母親が押さえつけているところに更に塗布して、 筋肉の痙攣で大の大人二人を跳ね除けた上で2メートル吹っ飛んだと言う。。。
歯の神経の痛感ってのは、人体が感じる様々な痛み。つまり、痛覚としては2番目に
強力なものなんだよ。
まあ、麻酔がなかったら普通は耐えられない。だから拷問なんかにも使う。
歯にフッ酸塗るとどういう痛みを感じるかっつーと、
塗られた歯が全部、末期の虫歯の痛みを同時に引き起こし、
さらに、フッ酸が浸透を続ける顎や頭蓋骨の中を通ってる痛感神経も、最大強度の痛感を発信するようになる。
まあ、ここまで強力な痛覚になると、もう脳というか神経系全体が耐えられんわな。
そんで、自律系の神経が機能不全を起こし、その端末である各種臓器も不全、
いわゆるショックシへ、という流れ。
やっちまった医師が、通夜の席で土下座して詫びて、そのまま脳溢血起こすのも、まあ無理はない。
仮にも医者なら、想像しただけでも気絶したくなるほどむごい状況を、
年端もいかない女児を押さえつけて引き起こしたって事が、まるわかりだからな。
自分にゃ嘘はつけないし、誤魔化しも効かんよ。
およそ人が知覚し得る最大限の苦しみを自らの手で与えたって事実からは、逃げようがないわな。
むしろ、そのへんの知識も想像力もない親は、単に毒を塗られて頃された~くらいの認識だろう。
まあ、愛娘が単に頃されただけでなく、人としておよそあり得る最大限の苦しみを与えられてシんだ、 なんて話は、親には言わんほうがいいけどな…。 - 4: Mystery 19:35:49.39 ID:wdj9EVb20
- ぬ~べ~で自分が一番トラウマだったのは、
地味な話で共感どころか思い出しても貰えないんだが…
学校(クラス?)にとても優秀な生徒がいる、という前置きがあって、
そこから一転普通にぬ~べ~のクラスの授業が始まる。
一人の男の子がメインらしく、 横顔でずっと楽しそうに授業を受け、感想がモノローグになっている。
その日の授業と言うかぬ~べ~の話は人形に宿る霊の話で、
日本人形の心の声を聞こう!というものだが、 日本人形とそれに似たクラスの女の子を間違えるギャグもあり、メインの男の子も笑っている。
そして、ぬ~べ~の力で人形の声を聞くが、信じられないと言う男の子。
すると突然広や響子、クラスのみんなの顔が渋くなり…
「もしかして僕が人形だと言うのか?!」
そこで男の子が正面から描かれる。男の子は理科室の人体模型で、
夜ぬ~べ~クラスのみんなが集まり、 人形の話から自然に気付かせたかったがそれが出来ず、その後は逃げる人体模型を鎮魂。
数日後、良い行いが神様に認められ人間にして貰うもまだ半分出来てない
(体半分が透き通っている)というオチ。 - 5: Mystery 19:36:53.98 ID:wdj9EVb20
- 『銀河鉄道999』でも似たような話があったな
とある星ではその星でとれる食料は殆どその星の女王に献上しなければならず
決まった時間になると食料を差し出せとサイレンが鳴る
鉄郎が「ひどいヤツだ」って女王のところに乗り込むんだけど女王はかなり前に
シんでいて白骨化してた - 10: Mystery 19:42:03.33 ID:wdj9EVb20
- 週刊ストーリーランド 「笑わない子供」
ベビーシッターのアルバイトで大きな屋敷に女子大生が行ったところ
屋敷に住む奥さんは人形を抱いていました。
女子大生はおかしいと思いましたが、高額なアルバイト料だったのでベビーシッターをひきうけました。
この奥さんは女子大生にいろいろと注文・難癖をつけ、そのうち女子大生は精神的に追い込まれてしまい
ついには、口論となり「これは赤ちゃんじゃない、人形だ」と言って、海に人形を投げ落としました。
通報を受けた警察が調べてみると、実際に海から赤ん坊の死体が見つかります。
これにより女子大生は逮捕されますが、女子大生はあったことをすべて話しました。
その後捜査を進めていくと、監視カメラに人形が写っているのが確認され、女子大生の証言の裏づけが取れたのです。
そして、奥さんは旦那さんが出張中に誤って子供をシなせてしまった事、あらかじめ海に赤ん坊のシ体を沈めておき
その罪を着せるために、この計画を立てたことを自供する、という話でした。 - 13: Mystery 19:43:57.44 ID:wdj9EVb20
- 冷たい方程式
主人公は緊急小型宇宙艇EDSのパイロット バートン
開拓途中の惑星ウォードンに熱病の血清を届けにゆく途中
ウォードンにはふたつのキャンプがあり 片方は熱病で全員やられ
もう片方は嵐の影響で救助に向かうことが出来ない
そこで惑星間連絡船からEDSが派遣された
EDSには 未開の開拓星に逃れようと 犯罪者がときどき密航を試みる
しかしEDSには「船」と「パイロット」と「積荷」を目的地まで運ぶ
ギリギリの燃料しか積まれないため 密航者を乗せるわけにはいかない
そのために特別の法律が制定された
空間条例第8条 項目L
「EDS船内で発見された密航者は 発見と同時に船外へ投棄すること」
バートンは EDS内に密航者を発見する
20歳になるかならないかの娘 マリリン
彼女は地球育ち 他の開拓済みの惑星にある大学に合格し 向かう途中
兄のいるウォードンに向かう船があると聞き
しばらく会ってない兄さんに会いたいと その一心で乗り込んでしまった
(兄のいるのは無事な方のキャンプ) - 14: Mystery 19:45:02.95 ID:wdj9EVb20
- 彼女は安全な地球で育ち 辺境の環境がどれだけ苛酷であるか
そこではどれだけ簡単に人の命が失われるかを知らない
自分が何をしでかしてしまったのか まったく分かっていない
「渡航費は雑用で払うわ」と無邪気に言う彼女
バートンは彼女を助けたいとあらゆる可能性をさぐる
が 彼女を助ける方法はない
母船の連中も状況を聞き あらゆる手を尽くしてくれるがダメ
彼女を引き取る方法はない
母船は戻れない(スケジュールが乱れ 多くの星に回復不能の被害が出る)
代わりのEDSを打ち出せる船も近くにはいない
彼らに出来るのは 彼女がEDSにあとどのくらい留まれるのかを算出することだけ - 15: Mystery 19:45:46.74 ID:wdj9EVb20
- そこでバートンは 彼女に全てを説明する
彼女が何をしてしまったのか
何故 シななくてはならないのか
このままではバートンも彼女もシぬ ウォードンで血清を待つ者たちも全員シぬ
彼女が出て行けば シぬのは彼女だけで済む
これは人の力ではどうにも出来ないんだということ
彼女は結局「何故自分がシななくてはならないか」を理解は出来ない
でも「何かとんでもない 取り返しのつかないことをしてしまったこと」
だけは理解する
そしてバートン始め 周りの人が自分を助けようと必シになってくれたこと
誰も「彼女に死んで欲しい」と思ってる人なんていないこと も何とか理解する
彼女はバートンにふたつの願い事をする
「家族に手紙を残したい」そして「ウォーオンの兄さんと無線で話したい」
バートンは自分の手帳を渡し マリリンは地球の両親と兄に当てて手紙を書く
みんなに感謝してること みんなを愛してること
自分のことは心配しないで 私は大丈夫 怖くないから
と 最後の一行がウソであることが一目瞭然な 震える文字で
バートンはそれを預かり 必ずご家族に渡すことを約束する
ウォードンのキャンプに連絡は取れたがマリリンの兄は朝から嵐の観測に
出かけている
ヘリの無線機は故障中 使えない
キャンプの連中も事情を聞き
出来る限りのことをしてくれるが それも限られている
まもなくキャンプはウォードンの自転によってEDSの反対側に回ってしまう
そしたら無線も切れると聞き「それまで待つ それから出て行く」と言うマリリン
制限時間ギリギリでやっと兄が無線に出る
数言別れの言葉を交わし 無線は切れる
マリリンは 自分の足でエアロックに向かい バートンは彼女を船外に投棄する - 18: Mystery 19:49:20.64 ID:wdj9EVb20
- ぼくの地球を守って
7人が宇宙で調査を始めて1年、2人が謎の感染症でシんだ。
地球には降りられない状況だったため研究者Hが5人分5種類の薬を作った。
料理人Sが「生きたい!」と強く願い、HがSが大嫌いだったが少し考えてから一番
自信作の薬をSに射った。
その後Sの薬は効き、他の4人は感染した。 - 32: Mystery 20:06:20.14
-
>>18
これのオチよくわかんない - 35: Mystery 20:09:46.54
-
>>32
宇宙で一人ぼっちで生きてけってことじゃないの - 58: Mystery 20:35:02.30
-
>>35
感染せずにシんだのかと思った - 40: Mystery 20:14:12.49
-
>>35
病気治ったんなら地球降りれるんじゃ? - 43: Mystery 20:16:08.61
-
>>40
料理人だから船の操作できないんじゃね - 46: Mystery 20:17:09.06
-
>>43
そういうことか
- 22: Mystery 19:53:53.41 ID:wdj9EVb20
- 関よしみ 死シたいの
ある日突然、優しかった家族が(父、母、姉)が信じられないくらい主人公に冷酷になる。
主人公が家族での夕飯時ご飯をお代わりしようとすると、
お母さんがものすごくうっとうしそうな顔で
「まだ食べる気?」と言っていたのを覚えてる。
最後は、お腹を怪我した主人公をほったらかしで家族は旅行に出かけてしまった。
女の子がお腹を切ってたのは、豹変した家族にショックを受けて自札をしようとしたから。
お腹を切った後、祖母がはいって来て「蛆がわいてるね」とか言ってた。
実は女の子は一度シんでて、お葬式もあげたのに生き返ってたという話し。
葬式もあげたのに生き返って家族はその女の子の存在を隠さなくてはいけないし、
生きてる時と同じように食費もかかるから疎ましくなってたと。
女の子も自分がシんでたことを思いだすんだけど、
「でもあの時、『お願いだからシなないで』って言われたんだよ…」でエンド。 - 24: Mystery 19:56:23.32 ID:wdj9EVb20
- 藤沢周平 この話が一番好きかも
両親が亡くなって姉弟が残された。
姉は弟を養うために必シで働き、いかがわしい店に勤めたこともあった。
やがて弟は大きな商店に奉公へ出て、そこで順調に出世していった。
姉は弟の成長を喜んだが、自分のようなものが弟の周りをうろついては
迷惑になると陰から弟の幸せを見守っていた。
やがて大人になった弟は、大店の娘を嫁にもらって店を一軒任されることになった。
弟夫婦がその挨拶に来る日、姉は朝から心待ちにしていた。
日が暮れる頃、やっと弟夫婦がやってきた。
姉は二人を歓迎して家に招き入れようとするが、弟は玄関口で断る。
「これから嫁実家で祝いをしてくれるから姉と過ごす時間はない。
今日は姉に頼みがあってきた。悪いが結婚式には出ないでくれ。理由は…わかるだろう?」
弟のいいざまに姉はショックを受ける。
言われなくても結婚式に出るつもりはなかった。
自分が表に出ては弟に迷惑がかかる、だからせめて今日は弟の晴れの日を
精一杯祝いたい、そんな気持ちで朝から待っていたのだ。
姉はあまりの仕打ちに声を荒げ、二人を追い出した。
弟の妻となる女は最後まで一言も口をきかなかった。 - 42: Mystery 20:15:38.32 ID:wdj9EVb20
- 推理小説で、
大金持ちの婆さんの親族が毒札やら墜落シやらで次々シんでいって、
どう見ても財産独占目当ての身内の犯行なんだけど、誰が犯人か分からない。
で、主人公が調べなおしていったら、
どうもどの札人事件も、「被害者が婆さん頃そうとして手違いで自爆」という結論になるやつがあったな。 - 50: Mystery 20:22:52.03 ID:wdj9EVb20
- 大槻ケンヂの小説「憑かれたな」
優しくて母親思いだった娘が
15歳の誕生日に突然悪霊に取り憑かれてしまう。
暴言や暴力を振るい、ギャハハハハハと狂ったように笑い続ける愛娘。
母親は、娘を救うために謎の男・滝田を雇う。
滝田は念力でも気功でもなく、演技力で悪魔を祓うエクソシスト。
元役者である彼は「被害者は本物の悪魔ではなく 自分の妄想に取り憑かれている」という持論により 「悪魔を祓う演技」によって多くの被害者たちを救ってきた。
幼い頃に父親と別れ、母子二人で暮らしてきた娘は潜在的に父親を求めている。
だから祓い師には「頼りがいのある男性」が効果的だろう、と言う滝田。
滝田は、強く自信満々のエクソシストになりきって 娘に取り憑いた悪霊に「読めるものなら、俺の心を読んでみろ」と挑発する。
だが、そこで娘が発した「ここは暗い。一条の光も見えない」という言葉に動揺する。
滝田は舞台役者時代、女優を奈落に突き落としてシなせてしまった過去があった。
「一条の光も見えない暗闇で助けを求める女」は
滝田が役者を廃業してエクソシストになった理由でもある、心の傷だった。
娘さんは本当に私の心を読んだ、これは本物だ、と怯える滝田。
ギャハハハハハと狂気の笑いを続ける娘。
しかし母親ははっとする。
娘が5歳の時に別れた夫は暴力家だった。
夫が暴力を振るうたび、母親は娘を真っ暗な押入れの中に隠れさせた。
娘は滝田のトラウマを読んだのではない。一条の光もない暗闇は、娘の記憶だ。 - 51: Mystery 20:23:46.02 ID:wdj9EVb20
- 母親の言葉に瀧田は自分を取り戻す。
彼は、母親に映画エクソシストのラストを模倣することを提案する。
あの映画の神父は、最後に「自分に取り憑け!」と叫ぶ。
娘さんにも同じ事をするのです、自分に取りついた悪魔は
母親に乗り移ったのだというイメージを与えて、妄想から救済しましょう、と。
果たして、作戦は見事に成功した。
悪魔に乗り移られた演技をする母親の前で、娘は正気を取り戻す。
数日後、春の日差しの中、母親は娘と二人穏やかな
日々を取り戻したことを実感して幸福に浸っていた。
あれ以来、滝田とは会っていない。連絡を取ることも出来なくなった。
母親は、きっと滝田はこれからも女優を頃した贖罪にエクソシストを続けるのだろうと思う。
と、そこで母親はふと思い出した。
かつて娘を押入れに隠したとき、自分は娘に懐中電灯を手渡していた。
だから、押入れの中は娘にとって「一条の光もない」場所ではなかった。
……娘の中の悪魔は本当に滝田の心を読んでいたのではないか?
だとしたら、その悪魔は、今、自分の中に?
まさかそんな馬鹿な話があるわけがない、と思う母親。
自分を安心させるために小さくフフフと笑ってみる。
すると、もっと笑ってみたくなった。
ギャハハハハハハと狂ったように笑いたくて笑いたくて仕方がない。
それは、こらえることなど出来なかった。
「憑かれたな」と、母親は思った。 - 55: Mystery 20:32:11.98
- 面白い
- 59: Mystery 20:35:58.18 ID:wdj9EVb20
- 「ハイエナの粉」
目鼻立ちは可愛らしいが、顔中ブツブツとした吹き出物だらけの少女は、街中で声をかけられた。
それはどこかのテレビ局の街頭インタビューで、将来の夢はなにかと少女は聞かれた。
少女はただ「粉になりたい」と奇妙なことを言って、不気味に笑いながら去って行った。
インタビュアーたちは、おかなしな子に声をかけてしまった、見かけは普通そうなのに、とぼやいた。
そんな彼らの声を聞きながら少女は「普通に見えるって。
リンチ札人犯の妹でも普通だって」と一人でつぶやいて笑った。
それからすぐに、少女はビルの屋上から飛び降りた。
少女は何部かの遺書を部屋に残していた。
それは、母と兄、そして学校や各マスコミに向けられたものだった。
自分亡き後に送ってほしいと母宛ての手紙には書かれていた。
遺書の中では少女がシぬまでに感じた日々のことが描かれていた。
少女は昔から、動物を扱った自然番組が好きだったという。
その中で、動物たちが噛み頃し合う姿に惹きつけられていたのだった。
当時からひどく乱暴な兄によるストレスで顔が吹き出物だらけだった少女は、嗜虐的な映像を妙に求めていた。
テレビの中では、ハイエナの兄妹が争っていた。
自分の方がより多く餌を取りあうためにと、時にハイエナは身内で頃し合うのだという。 母ハイエナは子孫を残そうという本能でそれを止めようとするが、妹ハイエナは結局シんでしまった。 - 60: Mystery 20:36:23.57
- 興味深い
- 61: Mystery 20:36:32.05 ID:wdj9EVb20
- テレビ越しに妹ハイエナの最後の泣き声を聞きながら、
自分もああならないうちに兄を頃さなければと少女は思った。
「確かにまだ子供のあの頃なら、男の兄ともそう力の差はなかったはずです
そう あの頃に兄を頃しておけばよかった」遺書にはそう書かれていた。
少女は中学生になる頃には兄から辱めを受けるようになった。
扉の向こうで様子をうかがっている母の姿が見えたが、母は助けに入ってはくれなかった。
兄に殴られて傷だらけの状態で、少女はいつものように自然番組を見ていた。
テレビの中では、母鹿が、立ちあがることの出来ない子鹿を見捨てていた。
母鹿は群れへと帰っていき、残された子鹿は犬に食い頃された。
その子鹿の姿が自分と重なり、少女は泣いた。
「お母さん それでも私は夢を捨てていなかったのです 兄があんな事件を起こしても 私はなんとか自分を生かしてやりたいと」
少女は勉強をがんばり、いい成績を維持していた。
ある日の学校帰り、見知らぬ男たちに声をかけられた。
彼らは、ホームページをプリントアウトした紙を少女に見せた。
そこには少女の名前と顔写真、通っている学校など詳細な情報が書かれていた。
兄の名前は未成年であったため一般には公開されていなかったが、
インターネット上ではあちこちに記されていた。
凶悪な犯罪者を生み出した家族の詳細も。
少女は男たちに車に押し込められ、連れて行かれた先で輪姦された。
お前の兄はもっとひどいことをしたのだから報いだ、
頭がいいみたいなんだし自分の立場をわかるべきだ、そう言われた。 - 65: Mystery 20:44:43.16 ID:wdj9EVb20
- 「常に自分より弱者を見つけ踏みにじり、そうしないと自分を保てない
兄もあいつらもハイエナ 私は違う 私はハイエナになるまいと努力してきた」
少女の火葬の間、遺書を読んでいた母は号泣した。
自分ばかりが苦しいと思い、少女になにもできなかったと。 - 66: Mystery 20:45:57.87 ID:wdj9EVb20
- せめて、遺骨は少女の遺書通りに処理すると母は誓った。
「私の骨はお墓に入れず白い粉にして封筒に5gずつ入れて郵送して
残りの骨粉は私が短い人生の中で見ることもできなかった美しい全国の景色の中で撒いてください」
少年院で手紙を受け取った兄は読まずに捨て去り辺りに粉をぶちまけた。 - 73: Mystery 20:58:07.43 ID:wdj9EVb20
- マスコミらは、封を切った途端、ふいに舞い上がった粉を吸ってしまい、ひどく気味悪がった。
インターネット上には、少女が生前に作成して残したホームページがあった。
そこには遺書に書かれたのと同じ文章が掲載され、そして遺書には書かれなかった続きの文もあった。
「貴方たちの吸う空気の中に私はいるのです」
封を切った時に粉を吸ったマスコミ関係者の女性は、最近ひどい肌荒れに困っていた。 観光名所で粉を撒く 少女の母の顔にはたくさんのブツブツができていた。
母はホームページの存在など知らず、全国で粉を撒きまわっていた。
「強いストレスを受け続けた動物は体内に強い毒素を蓄積し自らを頃します
それを食べた動物もやがてシにます 憎んだもの全てを頃さずにはいられない、私もやはりハイエナなのです」 - 88: Mystery 21:28:38.22 ID:wdj9EVb20
- 夜市 恒川光太郎
不定期に開かれるその夜市は、異世界同士を結ぶ不思議な空間で、
そこでは人間、あるいは人間でないものたちがさまざまなものを売っている。
おおむね売値は高額で、品物は有形無形さまざまだ。
青年は小学生のときに弟と共に夜市に迷い込み、「人攫い」と会う。
そして5歳の弟と引き換えに「野球の才能」を買う。
弟のことは誰からも忘れ去られ、青年はエースになって甲子園まで行くが、
罪の意識に苛まれ、無力感から高校も辞め、1人で暮らしていた。
ある夜、彼は知り合いの女性を伴ってふたたび夜市に出向く。
財布にはバイトで貯めた72万円。目的は人攫いから弟を買い戻すこと。
そこで「何でも切れる刀」を購入した老紳士と出会う。彼はどこかの異世界から来たと言う。
夜市に足を踏み入れたら、何か取引をするまでその場から出られないのだと彼は言う。
「人攫い」の店には、虚ろな目をした子供たちが並べられている。
買われた子供はどこにいくかわからない。多くは悲惨な目に遭うのだろう。
青年は弟を探すが、顔が思い出せない。
人攫いは子供の1人を指差して、これがあなたの弟だと言う。
確信は持てないが、どうせ思い出せないのだから、もし弟でなくてもこの子供を救おうと青年は決める。
だが、72万円では到底足りない。 - 89: Mystery 21:32:35.99 ID:wdj9EVb20
- 同行した女性は、青年が自分を売って弟を買い戻そうとしているのではないかと警戒する。
しかし青年の狙いは、女性を取引主として、自分と弟を交換することだった。
彼は人生に絶望し、シのうと思っていた。どうせシぬなら、弟を救ってシにたかった。
取引が成立し、人攫いが青年に手を延ばした瞬間、さっき出会った老紳士が
「人攫い」を刀で斬り倒した。
「詐欺を働いたものは許されない。あれは君の弟ではない」と老紳士は言った。
10年前、人攫いに買われた弟は咄嗟に逃げだし、夜市で「若さ」と引き換えに「自由」を買った。
5歳にして中年の姿になってしまった弟はどこかの異世界に放り出され、
放浪したり労働したり大変な苦労をして日々を過ごす。
10年の時が流れ、弟は「人攫い」を頃すために再び夜市に赴く。
刀を買った老紳士は弟だったのだ。
取引をすることはしたので、女性に対して出口が開かれた。
彼女は気づくと海辺に座っていた。
老紳士が傍に来て、青年は夜市に取り込まれてしまったと言った。
彼はなにも欲しいものがなくなったので、取引をすることができなくなったのだ。
女性はまた夜市が開かれたら、彼を助けにいかなくては、と思った。 -
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