女性



1: Trouble22:12:11.47 master
先日、6年程前の話を未だに引きずったままだと実感したんだ。
ここに書き込むことで気持ちの整理をさせて欲しい。

その上で相談にのって欲しい事があるんだ。

スレ立ては初めてなんで至らぬ点は許してください。
話の関係上、補足も多く、ほぼ自分語りな上に、記憶補正が多い稚拙な文章になるけど、許して下さい。
あと、全部テキスト化したけど、かなり長くなったので半分以上省略した。だから補足が必要な時は言って下さい。




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2: Trouble22:16:29.18 master
俺の生い立ちから説明しておく。
俺は母子家庭で鍵っ子だった。
小学生になってからは、母親が1週間分の食費を渡しに来るだけで、共に生活した記憶はあまり無い。

小学5年生のある日、母親が来なくなった。俺は捨てられた。
毎週貰う食費の余りを貯めていたし、学校の給食で当面は何とかなった。

その次月の家賃は集金に来た大家に払えたものの、手元に残った数千円ではすでに詰んでいた。公共料金の存在は知らなかったし滞納してたと思う。。

学校の給食だけが唯一の救いだった。しかし、そう長くは保たず学校で倒れて母親の事が発覚してしまった。

どういう経緯を辿ったのかは不明だが、母親の両親つまり祖父母に引き取られることになった。

初めて祖父母に会ったのだが、あまり歓迎されてないのは一目で理解出来た。だから小中学校では迷惑をかけることはせず真面目に生活した。
高校は定時制に通いバイト代は学費以外はほぼ祖父母に渡してた。

祖父母との旅行や遠出はしたことなかったし、小中での修学旅行も辞退していたので旅行というものに興味を持ち始めたのが高校の頃だった。
18才の誕生日を迎え、祖父母にやりたいことがあると相談して、深夜帯のバイトを始めて貯金した。

4: Trouble22:18:56.88 master
定時制を卒業したが就職も進学もしなかった。
卒業と同時にバイトを辞めて準備に取りかかり、4月の半ば俺は一人旅を始めた。

最初は徒歩や交通機関を使い九州を一周した。
道中で出会ったバックパッカーやバイカーと一緒に行動したり、1ヶ月半くらいかけて旅をした。

絵はがきに旅の様子を書き、名産品などの土産物と一緒に郵送して、帰宅した時に思い出や感想を祖父母に聞かせた。1週間くらいしてから再び荷造りして今度は四国を回った。

梅雨時期だったにも関わらず、天気の良い日に恵まれてゆっくりと1ヶ月程かけて帰路に着いた。
お遍路さんの風習からか、一般家庭のおばあちゃんから家に泊めてもらう事もあった。お遍路さんと共に歩いたり、逆行したり、迷子になったりと楽しかった。

これまでの生活は自分が生きていく為に、他人に迷惑をかけない様に畏縮した生活だったが、一人旅ではまったく必要なかった。

とあるバイカーに諭されたことがある。
「旅をしてる者同士は常に仲間なんだ。声掛け合って助け合って笑い合える。旅ってのは同じ地域で互いに自給自足やってるみたいなもの。みんな同じ苦労して同じ楽しみを持てる。だから一期一会をもっと楽しめ」
定年後の余生をバイクに跨がる元気なオッサンだった。

6: Trouble22:22:10.39 master
四国から帰った俺は祖父母に再び相談した。
「半年程資金を貯めて、もう少し旅をしたい」
貯金はまだ余裕が有ったが、次は免許を取ってバイクで行きたかったからだ。そんな我が儘に祖父母は返事一つで許可をくれた。
「お前の人生だ。気に入った土地に根をおろしても良いんだよ。
俺たちは生い先短い。自分のやりたい事を精一杯楽しめ」
そう言って通帳を一つ俺に渡した。
定時制時代に祖父母に渡してたバイト代を貯金してくれていたんだ。

最初こそ疎まれていたとは思う。でも、その時は祖父母からの愛情を感じ感謝した。
次の日から教習所に通い免許を取ろうとした。ところが、恥ずかしい話自転車にすら乗れない俺は原付バイクにすら手間取り過ぎた。
派手に転んで原付バイクを大破させてしまった。
教習所の教員からは二輪は諦めて車の免許を取った方が良いと勧められた。

二輪と比べて車は楽なものだった。鋼鉄の箱に守られた安心感、転ぶ事の無い安定感。他の人と比べて時間も金もかかったがなんとか免許をとることが出来た。

丁度学生の夏休みも重なり、バイト探しは楽だった。そこで知り合った奴に車好きが居たので車選びの相談をして中古車を購入した。

その友人Aが、後ろの背もたれを外して貨物車申請したり、燃費や出力向上の措置をしたりと嬉々としてやってくれた。
「旅って夢があって良いじゃん。それに車いじり楽しくてこっちが感謝したい」と言っていた。

8: Trouble22:23:55.60 master
旅の準備も進み季節が秋から冬へ変わる頃に祖父母と温泉旅行に出掛けた。最初で最後の祖父母孝行だった。
初めて祖父と酒を交わし、話をした。
年明けの成人式が終わったら旅に出ること、次はいつ帰るかわからないこと、もし腰を据える場所が在れば一度帰ってくることなど。

祖父母から母親の話や俺が生まれた時の話、共に生活するようになってからの話など聞いた。

旅行から戻り冬の寒さが厳しくなる頃に祖母が心筋梗塞で他界した。
祖父を一人残して旅立つわけにもいかず、旅の中止を祖父に告げると一喝された。
「自分の人生は他人のせいに出来ない。お前が行かなければ婆さんも成仏出来ない。俺もそうだ。だからお前は自分の意志でここを出ていけ」

年が明けて成人式も終わり、友人に送迎会を催してもらった。
翌日、車に荷物を詰め込み出発する時祖父は出兵見送りの如く「(俺の名前)万歳!」と大声で見送ってくれた。
恥ずかしいやら嬉しいやらで祖父が見えなくなった頃に車を停めて泣いた。

10: Trouble22:26:40.09 master
初の車旅に不安を感じつつも祖父からの激励に覚悟を決めて車を走らせる。
中国、近畿へと移動しつつ、途中で知り合ったバックパッカーとバイトして資金貯めたりして関東へ。
関東からからはまた一人で中部、東北へ。バイトして資金貯めて移動、バイトして移動の繰り返し。
実際はバイトしなくても資金はあった。あ、ここ良いなって思った土地で飛び込みでバイト探すには旅の資金繰りって理由が最適だったんだ。

そして北海道へ。
この時点で8月。観光や旅行でかなり人が多かった。先ずは函館から札幌へは1週間ほど観光して周り、次は最北端宗谷岬を目指して北上しようと考えた。
ところがここで事件が起きた。
調子にのってなまものばかり食べたせいで運転中に腹痛が襲ってきた。
少し走った所に公園を見つけて車を停めてトイレに駆け込んだ。
10分くらいトイレに籠もって危機を脱した俺はスッキリして車に戻る。

12: Trouble22:28:23.01 master
が、車が無い。
あれ?なんで??
駐車場に入って、エンジンを切って...急ぐあまり鍵を刺したままトイレに入ってしまった。
財布は常にポケットに入れていたが、携帯は車に置きっ放しだ。
当然混乱して思考が思いつかない。

近くのベンチに座っていた女性に
「俺の車知りませんか?」
と挙動不審全開で話かけていた。

その女性に落ち着けと諭されつつ事情を説明して警察を呼んでもらった。
女性は2人の男が笑いながら俺の車に乗り込むのを見たと言う。
現場に来た警官に状況の説明などをして、女性と共に最寄りの交番へと移動した。

一応、スリや車上荒らしの防犯対策とし「財布は肌身離さず3千円〜1万までしか持たない」「通帳、保険証、車検証は簡単に見付からない所に隠しておく」等していたのだが、車ごと盗まれるのは想定外だった

14: Trouble22:30:06.14 master
交番での調書や被害届を書いている時は絶望しかなかった。
財布には4千円ちょっと、免許証、各種ポイントカードのみ。クレカは持ってない。

そんな中警官は淡々と話だす。
「盗難車が発見されたらどこに連絡すればいい?」携帯は無いし、祖父のとこか?
「どこか泊まれるあてはある?」あても無いし、金も無い。野宿するしかない?
「誰かに迎えに来てもらえる?」祖父にそんなこと頼めるか?こんな事で帰るなんて出来ない。
「困ったねぇ?」本当に困った。真っ白になった。
精一杯頭を働かせても一言しか出てこなかった。
「少し考えさせて下さい...」

そんな時女神が現れた。
「あの、よかったらウチに来ます?」
目撃者の女性だ。
「連絡は私の携帯にしてもらえば良いですし、道外ナンバーならすぐ見つかりますよ」
それまでは動揺と絶望で女性の顔などろくに見てなかったのだが、改めて見るとかなり美人さんだった。

15: Trouble22:32:00.75 master
交番を出て女性に付いて歩く。まずはご飯食べようと促されファミレスに入った。

席に着くと俺は謝った。
すると女性はケロッと、見返り求めての善意だから気にするなと言った。
見返り?そうか、そういう事か!
俺「はい、もちろんお礼はします。車が見付かればきっと通帳も...」
女「違う違う!お金じゃなくて、俺くんの旅に私も連れて行ってよ」
俺「は?...え?!」

この女性、さとみ(仮名)は22才で近くのアパートに一人暮らしをしているという。
夜は仕事で居ないから部屋は自由に使って良いと自己紹介したあと質問責めされた。

旅の経緯は?今までどこに行った?これからどこに行く?寝泊まりは?食事は?
目輝かせて聞いてくる。もう、その目に吸い込まれてたんだと思う。今回の旅の目的や決意など全部話してた。

16: Trouble22:33:17.95 master
途中で食事を注文して食べて終えたらまた話す。
時計を見ると15時を回っていた。さとみは16時から仕事だと言うことでアパートへ向かう。部屋に着くと
「何もないけど自由に使って。あと、鍵渡しとくから。じゃ、行って来まーす」
と告げて足早に出ていった。

部屋を見回すとホントに何もない。板張りの6畳2間と4畳のキッチン、風呂トイレは別。
奥の部屋には布団のみ。手前の部屋には座布団、一人用のテーブル、漫画は置いてある3段BOX。
キッチンには冷蔵庫とゴミ箱。
テレビで見る女性の部屋とは真逆な質素な部屋だ。

その日は初めて犯罪被害にあった、初めて警察の世話になった、初めて女性の部屋に入った。初めて尽くしな1日だった。疲れた俺は座布団を枕にして横になって寝てしまった。

18: Trouble22:34:40.25 master
俺は玄関の鍵が開く音で目を覚ました。さとみは俺の着替え等を買ってきてくれていた。
さとみも夕飯がまだだと言うので近くのラーメン屋でご飯食べて部屋に戻って風呂入って寝ることになった。
寝る前に
「早く車見付かるといいね。おやすみ」
と気を使ってくれた。

次の日俺は早めに目が覚めたがさとみはまだ寝ている様だったので、漫画読みながら目覚めるのを待った。
さとみの携帯が鳴り電話に出る声が聞こえる。襖が開き携帯を渡される。

警察からだった。車が見付かったそうだ。札幌方面○○署まで来てくれということだった。
さとみに案内してもらい警察署まで行った。
車自体は無事でナビを盗まれた。荷物が車内に散乱しているが、他に盗られた物は無いみたいだった。携帯も通帳なども無事だ。

車が戻り安心して旅を続けられる。だが、問題はさとみだった。自分も連れて行ってとせがむ。
いつの間にか職場に電話して1週間休暇をとったという。1泊3食着替え等の恩を無碍にも出来ず渋々承諾した。

22: Trouble22:39:57.41 master
次の日7時のアラームで起きた俺はさとみを起こして準備を始める。

車の荷物をまとめて、さとみのキャリーバックの置き場を確保、一人用のテントをさとみの部屋へ持って行く。

「準備出来たら出発しますよ。まず買い物に行きます」
さとみはせわしなく準備して、部屋の鍵を閉めた。

アパートを出て先ずは朝食を食べた。郵便局でお金をおろしてホームセンターへ。
テントとさとみ用の寝袋を購入し、宗谷岬を目指し出発。

札幌から稚内、知床、帯広、函館を経由して再び札幌へと戻ってくる。
本来1週間で回るような距離ではない。だが、行けるとこまで行ってみようと思った。

俺は基本的に宿には泊まらず、キャンプ場でテント泊か公園で野宿をしていたのだが、さとみの事を考えて一日目は稚内手前でホテルに泊まった。
さとみ自身がせっかく買ったのだからテントが良いと言いだしたので二日目からは目的地をキャンプ場に回った。
道中雨が降る事もなく安心して回れたのは幸いだった。

24: Trouble22:41:30.23 master
さとみは小学生の時に行事で一度テントに泊まったが自分で組み立てるヤツではなかったという。
おそらくコテージやバンガローの類だろう。
サイト料を払いテントを張る。
固定用の杭を眺め「これは何?」と聞いてくる。
「テントが風で飛ばない様に固定する為の杭」
さとみは驚いた顔をして「テントに刺すの?」とテントに直接刺す素振りをする。
「違う。ロープを張ってその杭を地面に刺すの」と付属のロープとハンマーを見せた。
「うわ、刺さったら痛そう」とワザとらしく離れる。
俺は「ちゃんとやれば刺さりませんよ」と笑ってみせた。

日に日に互いの距離が近付いていくことには気付いていた。
さとみはあの夜に話をして以降は粗棒な言動をしなかった。取り繕う事を俺に対しては辞めたみたいだ。
とても見た目の美人さに見合った可愛さがあり、こっちが本来のさとみなんだと実感した。
だが、丸1週間共に生活するんだ。食事も移動も2人、テントでも共に寝る。しかし、男女間の意識はしないようにしていた。
さとみの休みが終われば2人の旅も終わり、俺はまた1人で旅に出る。そう諦めていたから。

21: Trouble22:37:12.13 master
母子家庭で育ったさとみは高校卒業して就職。高校生の時から付き合っていた年上の彼氏と同棲を始めた。それが今の部屋だという。
仕事にも慣れた頃、彼氏が起業したいと言い出す。仕事が落ち着いたら結婚しようという言葉に2つ返事で連帯保証人になってしまう。その直後に彼氏は自分の荷物を持って行方不明。さとみには借金だけが残った。

母親への仕送りをしながら借金の返済もしなければならず、仕事を辞めて夜の店で働き始めたそうだ。母親には内緒だという。

同僚(親友)に相談したが、よくある話らしく諦めて返済の為に頑張り、現在ではそれなりに高い給料を貰えているそうだ。
友人も同僚含めて数人しか居らず。店と自宅を往復する日々に飽きている時に俺の車盗難に巻き込まれた。最初は気分転換にどこかへ連れてく行かせようという魂胆だったが、旅の経緯や目的を聞いて「借金返済後の自分」を考えてみたいと思ったそうだ。

そして最後に「私的な事で無理言ってごめんなさい。やっぱり私はいいから、俺くんは旅に出て下さい」と言った。さとみはまとめた荷物を片付けようとしていたので俺は意を決して
「明日は早いからもう寝ましょう。1週間しかないのでどこまで行けるか分かりませんけど、退屈しない様に努力します」と言った。
さとみは振り向かないまま「ありがとう」と言い、俺は板張りにそのまま横になった。
さとみからおやすみなさいと言われ、俺もおやすみなさいと答えて眠った。

26: Trouble22:43:37.35 master
結局、稚内から知床、帯広までは観光もしながら回ったが時間切れで札幌へ戻る事になった。
さとみのアパートに着いたのはすでに夜も更けた頃。帰りは互いに口数も少なくて、やはり別れ難い雰囲気になっていた。
さとみが持ってきたジャンヌダルクのMDも覚える程聴いた。別れの今となっては懐かしさすら出てくる。

「私の我が儘に付き合ってくれてありがとう。凄く楽しかった。私の知らない世界が沢山あって、凄く勉強になった」さとみは精一杯話してるのだろう。声が小さく、震えていた。
この時、俺は何を考えてたのかよくわからない。あまり覚えていない。
一度部屋に戻り、一人用のテントを車に積み直す。
別れを交わし、俺は車に乗り込む。助手席側の窓を開けて、手を振り、車を発進させた。

その直後、待ってとさとみの声が聞こえて車を停めた。
「忘れ物?」と窓越しに聞いた。
さとみは「やっぱり、今夜はもう遅いからウチに泊まっていけば良いと思うよ?」と言った。

25: Trouble22:42:24.91
勝手に石原さとみで。
27: Trouble22:45:27.07 master
>>25  想像は自由です。

別れ際の決心が鈍ってしまう。
俺からさとみの元に留まりたいと言える筈もなく、さとみからの言葉を待っていた心。
一度車を出した瞬間の絶望と後悔が、一瞬で消えてしまっていた。

さとみの部屋へと戻ると互いに座り、何を話す訳でもなく黙り込んでしまった。
5分も経ってないんだろうけどとても永く感じた。
唐突にさとみが話しだした。
「私が夜の店で働いてることどう思う?」
俺は言葉を考えながら答えた。
「普通に仕事をしていれば難しい金額の返済をしなけれいけない中でさとみが悩んだ末の仕事なんだから仕方ないと思うよ。俺が女で同じ立場なら同じ事をすると思う」
さとみは真っ直ぐ俺を視ているが、俺は目を合わせられずにいた。
この問いにはとても動揺した。別に偏見を持っている訳ではない。さとみは借金返済の為に仕方無くやっている。仕方なく知りもしない男に...
あぁ、そうか。仕方ないと一言で片付けてしまう答えは凄く残酷な事なんだと思った。
俺は覚悟を決めて言った。
「返済とかの話は抜きにして、さとみは今の仕事を続けたい?辞めたい?」さとみは辞めたいと即答した。
「じゃあ、辞めてこい。俺も働らいて一緒に返済する。返済が終わったら結婚しよう」
俺はプロポーズしてた。

31: Trouble22:47:20.88 master
なんだかんだと理由を付けてさとみは断ったが、最後は強引に説き伏せた。
翌日さとみは仕事を辞めて、2人で仕事を探した。2人で一緒に出来る仕事を探したがなかなかなくて4、5日求人雑誌を読み漁り、電話しては断られることを繰り返した。それでもなんとかアパートから少し離れているパチ屋で採用されて安心した。

俺は住所変更をしていなかったので説明には苦労したが、話の分かる人事担当で助かった。

職場の近くに安い部屋を借りて家賃、交通費を減らし、住所変更もした。
住所変更の手続きを祖父に代理でやってもらう際に「正月に婚約者を連れて帰る」と伝えるととても喜んでもらえた。

生活は苦しかったが毎月の返済も着実に済ませた。
さとみの母親への仕送りや返済が足りない時は俺の貯金を使った。そのたびにさとみは泣きながら謝る。それがとても嫌だった。

さとみの元客が来てバレたさとみは女性従業員の一部にイジメられたり、俺に突っかかってくるヤツも居たり大変なこともあったがそれも最初だけでなんとか仕事を続けることは出来た。

32: Trouble22:49:45.16 master

年末にさとみの母親との挨拶も済ませて祖父にさとみを紹介するため二人で帰郷した。
年も明けて札幌へと戻ると再び忙しい生活になる。それでもさとみとは時間の限り一緒に居た。仕事でもほぼ同じシフトだ。だからこそさとみの小さな変化に気付けなかったのかもしれない。

さとみは月に数回友人と遊ぶ日があった。昔の同僚だったり、学生時代の友人だったり。俺は気にする事も無くさとみを見送っていた。

あっという間にさとみと出会って1年が経った。返済はあと少し。もう少しで終わる。そう思っては喜びの感情が湧き上がってくる。

そして10月。さとみは少し焦っている様な時間が増えた。その時にもっと気掛けおけば良かった。

11月。早朝に知らない番号からの着信。市外局番が祖父の住む地域だ。
電話に出ると、ある病院からだった。祖父が入院したという。
肺癌の末期で転移もしている。そう永くは無いと告げられた。

毎月電話していたのに祖父からはそんなこと一言も聞いていなかった。
お盆に帰った時だって元気にしていた。俺には気付かれない様に、心配させない様に隠していたんだ。

33: Trouble22:50:51.23 master
会社にはまだ誰も居ない。直接上司(責任者)に電話して事情を説明して無期限で休暇の許可を貰った。
さとみも連れて帰ろうとしたが、仕事もあるしアパートで俺の帰りを待つ、祖父の容態が危なくなる前に連絡してという。

帰郷してから祖父に付きっきりになった。1週間、2週間が過ぎ...かろうじて生きている。しかし、ほぼ意識は無い。医者からはあと数日も保たないとの宣告。
そしてさとみに連絡するも...繋がらない。仕事には先週から行ってないらしい。実家にも帰っていない。

その2日後、意識の無いまま祖父は逝った。さとみとの連絡は付かないままだった。

葬儀も終え、祖母方の親族にあとの事を任せて札幌へと戻る。
アパートにはさとみが居ない。
部屋の机にさとみからの置き手紙があった。便箋一枚に「ごめんなさい」とびっしり書かれていた。

34: Trouble22:52:06.99 master
何がごめんなさいなのだろう。
何に対してのごめんなさいなのだろう。
さとみの母親へ連絡するも何も知らない様子だった。直ぐにさとみの母親の所へ行き置き手紙を見せた。意味が分からないと混乱する母親にさとみへの電話をさせながら俺は職場へ向かった。

上司に説明してさとみのタイムカードを調べる。最後に出勤した日は分かった。
一度アパートへ戻り、さとみの荷物を調べる。俺が帰郷した時となんら変わらない。さとみの財布や携帯、持ち歩きのバックが無いだけ。

再びさとみの実家へと戻り、さとみの母親へ説明する。
何か事故や事件に巻き込まれた可能性もあるが、置き手紙の意味が分からない。
その時、最悪の考えがよぎった。

もしかして、借金返済がもう直ぐ終わるから俺だけ残して消えた?
いや、そんな訳ない!しかし、状況だけ見るとそう思えてしまう。

36: Trouble22:53:24.76 master
さとみの母親に全てを話した。俺が聞いたさとみの元彼の話や夜の店で働いていた事全て。

すると、さとみの母親は元彼の事や夜の店の事に気付いていた。ただ借金の事は知らなかったようだ。
俺とは本気で結婚する気があったから母親へ紹介したのだろう、何か事情があるのかもしれないから待ってみよう、と諭され、その日はさとみの母親が警察へ捜索願を出して、俺はアパートへ戻った。

38: Trouble22:57:07.94 master
そして後日、さとみとは思わぬ再会を果たした。
さとみの母親からの着信。さとみが見つかったそうだ。だが、詳細を教えてくれない。
「明日の夕方頃に来てください」
最後にそれだけ言って電話が切れる。
翌日、昼過ぎにはさとみの実家に着いた。見知らぬ人たちが慌ただしく出入りしている。
玄関には最近見た「忌」の紙。

さとみの母親との会話なんて覚えてない。ただ、「最後に綺麗なさとみに会わせたかった」と時間指定した訳を言っていたのは覚えてる。
小さな箱に入ったさとみは化粧をしていて確かに綺麗だった。それは良く覚えている。

通夜にも葬儀にも並ばず、俺はアパートに居た。
火葬場からの帰りにさとみの母親が訪ねてきて二枚の手紙を渡された。
一つは母親宛て、もう一つは俺宛て。さとみの遺品だという。

39: Trouble22:58:57.91 master
母親宛てには件の原因や謝罪が便箋3枚に書かれていた。
俺宛てには感謝と謝罪、そしてさとみの署名と印の押されたボロボロの婚姻届。

さとみが働いていた夜の店店の同僚にMという女がいた。さとみはMを親友と言っていた。
そのMが、自分の店を出したいとさとみに相談をしたらしい。そして、開店資金の保証人になって欲しいと。最初は断るものの、親友を信じて印を押してしまった。
その後無事に開店するも、失敗しMは逃げた。
それが9月頃。

Mを無我夢中に探したが見つからず、俺に相談も出来ずに居た。そして、祖父の入院の為俺が帰郷した翌週アパートを逃げ出した。
道中で遺書を書き、目指した場所は俺との旅で2日目に泊まったキャンプ場。

俺宛ての手紙にはありがとうとごめんなさいが幾度も書かれていて、最後は「俺にはこれ以上迷惑をかけられない。ごめんなさい。こんな私でごめんなさい。ありがとうございました」と書いてあった。

41: Trouble23:01:00.12
だめだ


雨降ってきた
42: Trouble23:01:12.67 master
俺は後日、さとみの母親に手伝ってもらい部屋にあるさとみの荷物はさとみの実家に送り、俺は逃げるように帰郷した。
これが6年前の話。

帰郷してからは半年くらい引きこもった。
その間は友人Aが何度も訪れ俺を外に連れ回した。それでも気分転換にはなり少しずつ元気をもらった。
完全に吹っ切れる訳もなくダラダラと生活していたら、Aが仕事を紹介してくれた。Aの勤める会社だった。
目的もなく仕事をするのは初めてで、慣れるのに苦労したが仕事の忙しさに身を任せ考える事を忘れていった。

なんとか1人で生きていく事にも慣れ、Aと飲みながら笑う事も出来るまでになり、さとみの事を忘れるようにしてた。

さとみの事はAには話してない。話したくても話せなかった。
AはAなりに気遣ってくれたのだろう。俺に何も聞いてこなかった。
今、俺が笑えるのはAのおかげだ。Aの事は親友だと思っている。

だけど、今現在はAと距離を置いている。それが先月の話になる。

45: Trouble23:02:47.98
何だよ
何でだよ

理不尽すぎんだろ
46: Trouble23:03:04.62 master
先月の出来事。

俺が勤める会社は50人程度の小さな会社で総務、経理、営業、配送、管理などの全部署が1部屋にまとまっている。
しかし、営業、配送は仕事柄常に外に出ているし、管理は倉庫や試験室に籠もっている事が多い。
故に他部署とは業務以外の接点はあまり持てない。

俺も飲みや遊びに行く同僚は居るが、業務上でしか話したことのない同僚も居る。

6月のある日、仕事終わりに友人Aとある計画を立てたんだ。
俺「今年は海行こうぜ」
A「せっかくだから他部署の奴らも誘おう!」
俺「じゃあ、海水浴とキャンプでBBQってどう?」
A「いいね!」
...というやり取りの後、Aと日時や場所を決めた。俺は「他の部署の奴ら」を会社の皆と勘違いしてた。
だから、Excelで簡単な告知ポップ作って各部署の上司に提出。
各部署から自由参加者の募集をする許可を貰った。
Aからの突っ込みに「会社の皆ではなく他部署の奴ら数人の予定」だったと気付いたが時既に遅し。
各上司も乗り気で当日は社長や社員の家族を含む34名の大所帯でのキャンプになった。

48: Trouble23:04:16.87 master
家族(子供、嫁)組、男30代組(一部40代)男20代組、女性組に別れてキャンプサイトを陣取り、女子供は先に海へ。
男はテント設置、BBQの下準備など済ませて海へ。

この、テント設置してる時に管理部署の女Bが話かけて来た。
B「ねぇ、これ何?」
俺「それはロープ固定用の杭です」
俺はこの会話を過去にしたことがあった。
B「ん?これってテントに刺すの?」
俺「...いや、それは...地面に...」鼓動が跳ね上がった。口の中がからからになる。
Bは何か話してたが俺は聞こえてなかった。
俺はさとみとの会話を思い出して、頭が真っ白になっていた。
俺はどんな顔をしていたんだろう。Bが怯えた表情で俺を見ているのに気付いた。
B「...あの、邪魔しちゃってゴメンね」
俺「......あ、いや、ゴメン」
走り去るBには届かない程の小声で呟いてしまった。

49: Trouble23:07:21.00 master
その後Bとは話すこともなく、海水浴、BBQ、花火を終えて自由な時間になった。
家族組は寝てしまい、30代組は飲み続け、20代組は飲みつつ辺りの散歩をしていた。
A含む数人と散策していたんだが、そこでBが俺の隣を歩きだした。
B「あの...お昼は邪魔しちゃってゴメンね。急に馴れ馴れしかったよね?ゴメン」
俺は罪悪感に苛まれながら弁解した。
俺「いや、俺こそゴメンね。天気良かったから急にフラッとしちゃって!邪魔だったとかじゃないんだ。ホントゴメンね」
B「ホント?もう大丈夫?あ、私、管理部のBです。って、今更だね」
俺「もう全然大丈夫!配送部の俺です。今更だけど」

なんとか誤魔化すことも出来たので歩きながら話した。
初めはぎこちなく仕事の話をしたり、テレビや音楽のありふれた話をしてた。
途中でゲームの話になり、お互いwii買ったけどマリオ3しかやってないって話で盛り上がった。

52: Trouble23:09:00.64 master
だいぶ打ち解けた頃。

B「俺くんってキャンプとか慣れてるよね?キャンプ好きなの?」
俺「キャンプっていうか、1人旅で昔色々行ったから」
B「どこ行ったの?北海道とか?」
俺「うん、北は北海道、南は鹿児島まで」
B「じゃあ、彼女とかいなかったの?」
俺「彼女はいなかったって言うか…いたこともあったけど...」
もうそんな事聞くのは止めてくれと願った。
B「そぅなんだ、ふーん」
「彼女」という単語を自分で言って動揺してしまうが無我夢中に平常心を装っていた。
話を逸らそうと辺りを見回すとAや他の奴らが居なかった。はぐれたかな?と思っていたら、B呼ばれた。
B「あのさ...、私なんかどうかな?彼女」
Bの言葉を理解するのに時間を要してしまい。少しどもりながら答えてしまった。
俺「あの、その...ごめん。今は彼女募集してないっていうか...その、他に好きな人が居るとか、Bだからダメって話じゃなくて...」
B「ごめん!急にごめんね。さっきの忘れて!」
再び走り去るBをただ見送ることしかできなかった。

※会話の入る文章が下手クソです。ごめんなさい
56: Trouble23:11:29.97 master
何も出来ず立ちすくでいると、Bが走り去った方からAが走ってきた
A「お前、せっかくセッティングしたのに何やってんの?」

Aはキャンプの計画の前にBの同僚Cから相談を受けていたそうだ。
俺が海に行こうと提案した時に、他部署の奴も〜と言いだしたのはそのためだという。
しかし、俺が会社にキャンプの計画を提出してしまったので苦労してセッティングした〜とボヤいた。

俺「余計なお世話だ!」
A「そもそも、なんで彼女作らないの?」
俺「それは俺の勝手だろ」
A「もしかして、昔の彼女が忘れられないとか?」
俺無言
A「え?まじ?」
俺「ごめん、寝るわ」
Aの制止を振り切り、俺はテントで横になった。まぁ、眠れる訳もなくずっと起きてた。

58: Trouble23:12:29.15 master
太陽も昇りはじめ、少しずつ人が起き始めた頃にAとCが俺を起こしに来た。

C「俺くんの事情も知らずにBを焚き付けたのは私。ホントごめん。Bは今回のキャンプを凄く楽しみにしてたの。少しでも俺くんと仲良くなりたいって勇気出して話してた。だから、今日も普通に接してあげてほしい」
A「昨日は無神経なこと言ってごめんな。普段お前は浮いた話とかしないさ。Bは可愛くていい子だし、くっつけば良いなぁって思って、つい」

俺「いや、気つかってくれてるのにゴメンな。上手く言葉にして説明出来ることじゃなくて...頭では分かってんだけど、踏ん切りが付かないっていうか。あの、今日はBには俺から話かけてみるよ。ありがとう」

Bには「まずは友達から、その後は追々考えてみよう」と話し、俺、A、B、Cの4人で騒ぎつつ、無事にキャンプを終了した。

60: Trouble23:13:50.74 master
これが8月の頭の話。
その後は仕事中はAやBと話す機会が無くて、仕事が終わってから食事や遊びに行くことが増えた。

ただ、いつもBが一緒に居る事に不安を覚えた。不安というか圧迫。
互いの距離を縮める事を急ぐ必要は無いと思うんだよね。
俺としては、もう少しゆっくり友達として接していたいんだけど、ACのお節介だと思う。いつも隣にBが座り、Bが隣を歩き、Bと2人で帰る。

お盆の連休明けからはAからの誘いを断る様になってしまった。
Bからのメールにも返信しなくなっていた。

なんでこんなにBを息苦しく感じてしまうのだろう?
それはテント設営の時の会話でさとみと重ねてしまったからだ。
別人だと理解しているのにBとの会話の端々でさとみと重ねている。

61: Trouble23:14:59.95 master
そのままAともBとも気まずくなって今も不干渉状態。
Aとは仲直りしたい。だけど、Bとは少し距離を置いていたい。
AやBにさとみの事を話して俺の心境を理解してもらった方が良いのかな?
どう相談して良いかもわからずに居るんだけど、誰か助けて下さい。

66: Trouble23:18:32.46
>>61
まずはAにすべてを話した方がいいんじゃない?
自分の状況を理解してくれる人がいたほうが楽になると思うよ
62: Trouble23:17:00.54
Bとさとみを重ねるのは自然なことなんじゃない?
70: Trouble23:21:22.82 master
>>62
自然かな?結局Bにさとみを重ねて見るってBに悪い気がしてる。
64: Trouble23:18:11.06
BはともかくAには話した方がいいんジャマイカ
65: Trouble23:18:22.12
長文おつ。


まずは、だ。
親友ならばAに全てを話すことから始めよう。
その結果Bのこととかがどうなるかは二の次。

>>1 の負った傷の深さは俺等じゃ到底わからないけれど
乗り越える第一歩は、そのことを自分の口から他の人に話せることじゃないか。
67: Trouble23:18:50.27
Aに話す事に悩む理由ってどんな?
76: Trouble23:27:30.99 master
>>67
帰郷した時には俺の気持ちが整理出来なくて話せないまま、Aから聞いてくることもなくて今に至るんだ。
68: Trouble23:18:59.91
このスレを見てもらうのが一番手っ取り早いと思うよ。
69: Trouble23:19:38.31
Aを親友だと思ってるなら、まずAだけにさとみのこと話そう。
んでAにBのことを相談すりゃいいんじゃね
72: Trouble23:26:04.70
いろいろ乙です。

無理に乗り越える必要はない
無理に新しいパートナーを探す事もない

でもAには事情を伝えてみたら?
言える範囲で良いから。
73: Trouble23:26:15.51
全部読んだ。
読んでるこっちが心が折れそうになったよ。
1とさとみの心境を思うと涙が止まらん

Aには事情を説明した方がいいかもね。
細かい内容を話すのが辛いなら、婚約者が亡くなったとだけ伝えるのもありじゃないかな。



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