1: 2018/05/20(日)14:58:04 ID:8di- 『俺の名前が書いてあるカセットテープ』
母親の部屋で見つけたカセットテープ。
タイトルには俺の名前が書かれていた。
「もしや未来の俺へのメッセージ的な何かかな?!w」と興味本位でテープを聞いてみると、
聞こえてきた声は母親でも父親でもなく、知らない男の声。ひどく震えた声だった。
内容は父と母に対する恨み辛み。
部屋を探してみると似たようなテープが山ほど見つかった。
全部に同じように俺の名前が書いてあった。
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- 2: 2018/05/20(日)14:58:52 ID:8di
- 『人間』
だいぶ前の出来事です。
友達に借りたテープに録音されていたラジオ番組を聞き終わり、いちいち停止ボタン押すの面倒だからと、
テープが再生し終わって停止するまで放っておこうと思ったんです。
しばらく無音だったんですが、突然波が打ち寄せる音と共に、抑揚のない男の人の声で
「海に浮かんでいるものでしりとりをしてみよう」
と言う声が聞こえてきました。
僕が「?」と思っていると、小さな女の子の声で
「人間」
とつぶやくのが聞こえたと思った瞬間、
バチーン!と停止ボタンが跳ね上がりました。
あの時ほどビビったことは無かったですよ、って不思議なことを話すつもりが恐怖体験話してますね、僕(汗)。
まあ、これが僕が生きてきた中で一番不思議でビビった出来事です。
ちなみにテープは、この時伸びてしまって二度と聞けなくなりました。
このこと友達に話すと
「借りたテープ駄目にした言い訳だろ」
って言われますがマジ体験なんですよねぇ・・・。 - 3: 2018/05/20(日)14:59:33 ID:8di
- 『人工知能』
ある男が秋葉原の路上店で、人口知能会話ソフトが三百円で売られているのを見つけた。
有名なメーカー製であったため、男は喜んでそのソフトを買い、帰宅するとすぐに試したが、
そのソフトは「助けて」と「もう許して」の二種類しか返事をしなかったという。 - 4: 2018/05/20(日)15:00:19 ID:8di
- 『荒屋敷』
平安時代の話。
田舎から都へ上って来た男が、途中荒れ屋敷に宿泊する。
ところが、夜中に部屋の隅にあった箱の中から目線を感じたので怖くなり、
「馬の様子を見に行こう」と言って外へ出ると、そのまま飛び出した。
すると後から「なぜ分かった」と恐ろしい声がして、何者かが追いかけてきた。
逃げようにも逃げ切れず、そのまま目の前にあった橋の下へ。
橋の上で何者かは自分を探していたが、急に橋の下へ声をかけて来た。
「おいでかな」
すると、隠れていた男の傍で声がした。
「おりますよ」
話はここで終わっている。記録した人間は急に筆を擱いており、結末は不明。
そもそも、書いている最中に何があって書けなくなったのかも不明である。 - 5: 2018/05/20(日)15:01:18
- 知らん話ばっかりや
- 6: 2018/05/20(日)15:01:33 ID:8di
-
『画鋲』
お母さんは私がいない時に、勝手に私の部屋に入っています。
時々ならいいけど、本当にいつもいつも。
それが嫌で嫌で仕方なくて。
私の部屋で何してるんだろうって、気になりますよね、やっぱり。
だから私、お母さんが部屋に入った時に、こっそり覗き見したんです。
そしたらお母さん、棚の隙間に腕をつっこんでた。ほんの数秒。
してたことはそれだけでした。
お母さんが部屋をでた後に、何してたんだろうって、棚の隙間を見てみたんです。
暗くてよく見えなかったから、ケータイのライトで照らした。
ビックリしました。
だって、画鋲が刺してあったんだもん。棚のうしろの壁にビッシリと。
隙間に手をいれてたのは数秒だったから、部屋にはいる度に、1つずつ刺していったんだと思います。
なんでお母さんはこんなことしてるんだろう。
画鋲がひしめき合ってるんです。
本当に凄い数なんです。orz - 8: 2018/05/20(日)15:02:08 ID:8di
- 『海岸沿いの道』
外国のお話。
ある男が2人、車で海岸沿いの道を走っていた。
初夏の肌寒い日だったので海に入っている人こそ少なかったものの、
それでも家族連れやアベックなど老若男女で浜辺はそれなりの賑わいを見せていた。
どうといったことのない平凡な風景。しかし運転席の男はその光景にかすかな違和感を覚えてもいた。
やがて海岸が見えなくなった頃、助手席の男が口を開いた。
「気付いたか?」
先ほどまでの陽気な口調とは異なり、その面もちはいくぶんこわばっている。
「海岸にいた連中、みんな海の方を見ていなかった。
立っている者も座っている者も、全員海に背を向けていたんだ - 10: 2018/05/20(日)15:03:55 ID:8di
- 不気味で不可解な話が好きなのでそういうのが多いかも
- 11: 2018/05/20(日)15:04:28 ID:8di
- 『部屋から出られなくなった』
最近起こった事だが。
2か月ほど前のある晩に、友人から電話がかかってきた。
『部屋から出られなくなったから助けに来てくれ』との事だった。
何かあったのかどうか聞くと、『出口が分からない、迷った』との事だった
俺は冗談だと思って「何言ってんだ、お前?」と返しても、
すごい真剣な声でお願いされるもんだから、仕方なく友人の住むアパートへ行った。
で、アパートに着き、インターホンを押しても反応が無く、鍵もかかってなかったので、ドアを開けて中に入った。
中は見たところも特に変わったことはない。
「おい来たぞ」と大声で話すと、友人から「助けてくれ」との返事があった。
何か事故でもあったのかと、すぐに部屋の方にいくと、友人が部屋(リビング)の真ん中でポツンと立っていた。
「おい、ふざけんなよな」とちょっと友人に言っても、「本当に出られないんだ」との一点張り。
「何ともねえだろ。外に出てみろよ」と言うと、友人は部屋から出た。
友人の部屋は2LDKで、リビングと寝室が繋がっていて、2つの部屋も玄関に続く渡り廊下からも入れるような作りだ。
友人は玄関の方に向かったと思いきや、いきなり曲がって寝室に入っていって、また、そこからリビングに戻ってきた。
友人は真っ青な顔しながら、また、部屋からでると、またぐるっと回って部屋に戻ってきた。
流石に俺も「お前ふざけてんじゃねえぞ!」とキレ気味で言うと、友人は「本当に分からないんだ」と言ってきかない。
どうやら様子がおかしいので、俺は友人を家から連れ出した。
これはただ事じゃないと思って、どうしようかと悩んで、とりあえず俺の家に泊めることにした。
翌日、会社を休んで、とりあえず友人を病院に連れていった。
診断の結果、脳梗塞とのことだった。
命には別条はないようだが、しばらく入院が必要とのことだった。
脳に異常があると、ああも奇妙な行動を起こすものだと、個人的に怖かった。 - 12: 2018/05/20(日)15:05:15 ID:8di
- 『上がってくる』
マンションに住んでるんだけど、深夜に帰ったその日はエレベーターの自動点検で使えなかったんだよ
で、しかたないから階段で上がってったんだけどしばらくしたら下から階段を上がってくる足音が。
聞いた感じハイヒールっぽい。
で、階段の構造は下を見れる感じなんだけど見たら超満面の笑みの女が
こっちを見上げながら早歩きで階段を上がってくるんだよね。
めちゃくちゃ怖くてダッシュで自室まで逃げたわ - 16: 2018/05/20(日)15:08:43
-
>>12
鳥肌立った - 14: 2018/05/20(日)15:07:36 ID:8di
- 『転んだらしんでしまう村』
「転んだらしんでしまう村」の夢を見たことがありますか?これは共通夢といって、誰でも一生のうちに一度はみる夢だそうです。
ほとんどの人は夢を見てもその内容を忘れてしまうので、記憶に残ることは少ないですが、
この夢に関しては、全国から数多くの共通の証言が上がってます。
舞台は夕暮れ時の農村で、そこら中に青紫色に変色したシ体が横たわっている。
しばらくすると、着物を着た数人の少女が近寄って来て、
「ここは転んだらしんでしまう村なんだよ」
と説明があった後、少女の中の一人がシ体につまづいて転んでしまう。少女は絶叫をあげながら、みるみる青紫色に変色していき、やがてピクリとも動かなくなる。
ここから先は内容に個人差があり、
「追いかけてくる少女たちからひたすら逃げ回った」
「少女に竹馬を渡された」
「何事もなく目が覚めた」
など、様々な証言がある。
しかし不思議なことに、『夢の中で転んでしまった人』からの証言は一つもない。 - 15: 2018/05/20(日)15:07:57
- ええな
知らん話ばっかりや - 17: 2018/05/20(日)15:08:55 ID:8di
- 『子どもの頃の話』
子どもの頃、僕は2階建ての借家にすんでいた。
母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。
ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。
「おかあさ~ん」と呼ぶと、2階からか小さな声で「はあ~い」と
応える声がする。もういっかい呼ぶとまた「はあ~い」。
自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。
階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から「はあ~い」と声がする。
奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、奥の部屋へゆっくりと
近づいていく。
そのとき、下で玄関を開ける音がする。母親があわただしく買い物袋をさげて
帰ってきた。「しゅんすけ、帰ってる~?」明るい声で僕を呼んでいる。
僕はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。
そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。
奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。
僕は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。
こっちを見ている白い人間の顔だった。 - 18: 2018/05/20(日)15:09:23 ID:8di
- 『声』
ある男性は、近所で飼われている猫の、あの赤ん坊の泣き声にも似た発情期の鳴き声に悩まされていた。
ある晩とうとう我慢ならなくなり、外に出て鳴き声がしている場所を突き止め、怒鳴ろうとした――
その後、彼は友人にこう語った。
「あれが猫だとか赤ん坊だとか思ってる奴は幸せだよ」 - 21: 2018/05/20(日)15:11:34 ID:8di
- 『なぞのばしょ』
最近ポケモンダイパを初めてうわさのバグ技とやらをやってみたが
「なぞのばしょ」に入り込んでしまった・・・
周りは暗闇で自分ただ一人が取り残されたかのようだ
しかも、閉じ込められた・・・一歩も動けない
なんとか脱出しようと、たんけんグッズを使うも
「通信エラー」と表示されリセットしまた元の場所へ・・・
ここから出してくれ・・・と嘆く主人公の姿が思い浮かぶ
データ消去という考えに至ったわけだが、消去した後の主人公はどうなるんだろうと思ってしまう
確かに私自身はやり直せるが別の世界では暗闇に閉じ込められたままの主人公がいるのだ
ただ手持ちのポケモンを眺めているしかないのだろうか
ふと思うことがある、この空間は現実と異世界の狭間なのではないかと
ところで、四天王の間に入れば扉は閉まってしまうのはご存知だろう
それは、一度入れば後戻りはできないということだから
・・・・いや、そこはもう「別の空間」になってしまったから、だろう
別の空間になってしまっては、扉を開けることはできないのだろう
この宇宙空間から、亜空間へ直接入ることは許されないことだから
だが、扉を開けてしまった
「波乗り」という技が宇宙空間から亜空間への道を切り開いてしまう恐れがあった
しかし、それもままならず、その狭間へと迷い込んでしまった
従って、ここは人間の踏み入ることのできない場所
この主人公は、人であるべき姿を失っていくのだろうか - 24: 2018/05/20(日)15:13:42 ID:8di
- 『たぬきの提灯』
俺の曾祖父さんが子供の頃、親父(つまり曾々祖父さん)と一緒に夜に山を下ってたんだと。
曾祖父さんは幼かったから親父におんぶされてた。
親父は提灯を提げて前を照らしてたらしいんだけど、突然曾祖父さんに「目を瞑れ」と命じたんだと。曾祖父さんも何がなんやら分からんが親父の言う通り目を瞑った。
そしたら親父が小声で「狸が提灯持って案内してくれちょる」と言ったんだと。
俺が幼稚園ぐらいの頃、曾祖父さんの娘にあたる俺の祖母から聞いたオチのない話。
こっからは俺の妄想になる。当時は不思議な狸って本当に居るんだなぁ、と思ってただけなんだけど今思うと本当に狸だったのか?と思う。
狸が提灯提げてるだけなのに何で曾祖父さんは目を瞑らなきゃならなかったのか?
曾祖父さんもしんでるし祖母も惚けてこの話を憶えてすらいないから確認しようもないが
俺は曾祖父さんの親父はもっと何か恐ろしいモンを見たんじゃないか?
だから曾祖父さんに目を瞑らせて見せないようにしたんじゃないか? - 25: 2018/05/20(日)15:15:57 ID:8di
- 『グーグル検索』
検索サイト「Google」で「階段」と検索すると、膨大な数のページが表示されるが、
ときたま、たった一件しか表示されないことがある。
そのページは階段の写真が一枚表示されているだけのものだという。
もちろんこの階段を上がることはできないが、誰かが下りてくる可能性は否定できない。 - 26: 2018/05/20(日)15:16:44
-
>>25
ロアみたいやな - 29: 2018/05/20(日)15:19:07 ID:8di
- 『請求』
リチャード氏が45歳の誕生日を迎えた朝、差出人不明の手紙が届いた。
封筒も便箋も見たことの無い無地の紙で出来ており、便箋にはただ一文が書かれているのみであった。
「ご注文通り、幾つかの過去を改変いたしました。ご満足頂けましたでしょうか? 指定日、請求に伺います」
彼は、彼の過去が何をどう改変されたのかを聞くために差出人を待ち続けているという。 - 30: 2018/05/20(日)15:21:24 ID:8di
- 『お蔵入り』
ウルトラセブンの一話が、抗議によって封印処分されたのは有名な話であるが、実はウルトラマンAにも封印された回が存在する。
抗議等を受けたからではなく、製作側が自主的にお蔵入りを決定したのだという。
完成したフィルムを試写した時、劇中の台詞がすべて女性の金切り声に変わっていた為らしい。 - 31: 2018/05/20(日)15:23:42 ID:8di
- 『見ないでください』
80年代前半の出来事。
午前10時過ぎ、2時間目の授業の最中、放送の流れるスピーカーの電源が入り、
『・・・さい。・・・なります。・・・さい。・・・なります』
と、抑揚の無い棒読みの声で、低めの大人の女性の声で放送が流れる。
1、2年生には泣きだす児童もいたため、1、2年生の担任の先生は教室に待機。
3年生の教室に居た3年の担任の男性のA先生が、生徒を落ち着かせた後、真っ先に放送室を確認に向かう。
続いて、4~6年生の担任等他の先生や、用務員が駆けつけ、真っ先に駆けつけていたA先生に情況を聞くも、
「放送をした者を確認できなかった」
当時、学校にいた女性の先生は、皆授業中だった。
学校では、外部の者が学校に侵入し行った悪戯として、防犯体制を強化した。
↑
俺が小学校に入学するだいぶ前に起きた事件。
真っ先に駆けつけた3年生の担任のA先生は、その事件の日から、
体調不良を理由に仕事を休むようになっている。
他の先生たちで代替の授業を行ってA先生の復帰を待ったけど、A先生は結局3週間ほどで退職。
3年生の生徒が手紙を書いたり連絡を取ろうとするも、連絡はつかなかった。
さらに、A先生は精神病で病院に入院しているという噂が流れる。
件の流れた謎の放送、『・・・さい。・・・なります』はボソボソとした口調だった為、
生徒の間で、こう聞こえたー、いやいやこうだー、と様々な意見が流れたが、一番多かった意見が、
『見ないでください。おかしくなります』 - 33: 2018/05/20(日)15:26:25 ID:tw@ba_mian77
- 夏やなぁ
- 34: 2018/05/20(日)15:27:04 ID:8di
- 『100人の村』
世界がもし100人の村だったら
8人は与えられたばかりの生をまだ理解できない者
42人は生を理解していないが充実した生を送っている者
45人は生を理解せず怠惰な生を送っている者
5人は生としとは何かを悟った者
4人は自分のしを未だ理解していていない者である - 36: 2018/05/20(日)15:28:21 ID:8di
- 『鳴らす部屋』
目が責めると知らない部屋にいた。
ドアも窓も無い白く四角い部屋の中
狭い部屋の真ん中に一枚の紙だけが落ちていた
「聴こえてくる音と同じ音を鳴らして下さい」
「同じ音を鳴らすのを辞めれば毒ガスが出てあなたはしにます」
見ると天井の端に小さな通気孔がある
天井は妙に高く通気孔には届きそうにも無い
全く意味がわからない
一体何がどうなっているんだ?
考えを巡らせながら、とにかくジッと耳を澄ましていることにした
この紙に書かれた通りに音が鳴るのを待つしか無い
それがきっと脱出のきっかけになるはずだ
一体何時間経ったのだろう
何もせずただジッと耳を澄まし続けていたが、もう限界だ
俺がこうやってジッとしているのをどこかでニヤニヤしながら見ているに違いない
「ちくしょう!!何なんだ!!出してくれ!!」
堪えきれず壁を思い切り叩きながら思わず叫んでしまった
すると程なくして四方から壁を叩く音と共に叫び声が聴こえてきた
「ちくしょう!!何なんだ!!出してくれ!!」
「ちくしょう!!なんなんだ!!だしてくれ!!」
「ちくしょう!!なんなんだ!!だしてくれ!!」 - 40: 2018/05/20(日)15:31:38 ID:8di
- 『山奥の薄野原』
友人の話。
彼の家の近くの山には、広い薄野原がある。
秋に薄の穂が風に揺れている風景、それを見るのが好きなのだそうだ。
しかしそこで、一度だけ嫌な思いをしたことがあるらしい。
ある年、彼が薄野原の中をのんびり歩いていた時のこと。
横手からガサリ!と音がして、穂が作る波の上に何かが突き出された。
ざんばら髮、土色の肌。間違いなく人の生首。
ギョッとしたのも一瞬、すぐに正体に気がつく。
マネキンの頭だ。
誰かが棒の先に人形の頭部をくっ付けて、それを薄の間から現したのだ。
こんな趣味の悪いことをする奴ァ一体誰だ?気の強い彼は腹を立て、首の出ている場所に向かって走り出した。
到達する寸前に、ササッと首は引っ込められた。
見当を付けた辺りを探し回ったが、悪戯を仕掛けた人間は見つからない。
諦めて歩き出すと、背後からまたガサリと音がする。
あの首が、高みから彼を見つめていた。全速力で追いかけてみたが、目前でやはり薄の中へ姿を消す。
そんな追いかけっこが、何回かくり返されたという。
その内、嫌なことに気がついた。
首が突き出される場所までの距離が、少しずつ彼に近づいて来ている。
マネキンの表情が段々詳しく見えるようになっているのがその証だ。
そして現れる度に、首には黒い筋が増えていた。今ははっきり見える。
傷だ。何か鋭い物で引っ掻いて削ったような。
何故なのか理由はわからないが、彼をからかっている者は、首を隠す度にその首に切りつけている。
それに思い至った途端、怒りよりも気味悪さが勝ったらしい。もうこれ以上は関わらずに、即行帰ることにした。
ガサリという音は完全に無視して、野原を突っ切る。
入口の山道、車を停めた辺りまで足を運ぶと、いきなり何かが飛んで来た。彼と車の間に落ちてくる。
ズタズタに刻まれた、マネキンの頭部。
さっきまであった両目が、綺麗に抉られていた。
走り出したくなるのを押さえて、ゆっくりと首を迂回した。
そのまま車に乗り込むと、すぐさま発進させて山を下りる。
バックミラーに移る薄野原には、誰の姿も見えなかった。
流石にその年は、もうそこには出かけなかったそうだ。
まったく、変質者があんな山奥まで出張ってくるなよな。彼はそうぼやいていた。 - 42: 2018/05/20(日)15:33:31
- ロアみたいやな
- 43: 2018/05/20(日)15:33:53 ID:8di
- ロアもちょくちょく混ざってるで
- 48: 2018/05/20(日)15:35:50 ID:8di
- 『未来予想』
CIAが超能力を真面目に研究し、それを軍事転用できないかと本気で考えていた1985年頃の話。
未来予知や予言が出来る超能力者に「100年後の最新兵器の設計図」を「透視」させる実験が行なわれた。
厳選に厳選を重ねて集められた12人の超能力者に(互いの能力が影響しないよう)個別に透視させた結果───
12人全員が「石弓」の設計図を描いたそうである。 - 49: 2018/05/20(日)15:36:26
-
>>48
一回全部滅びるんか - 52: 2018/05/20(日)15:41:06 ID:8di
- 『竹田の肝試し』
「出る」と評判の廃屋で、俺たちグループの中でもいちばん気が強く、心霊現象完全否定派である竹田が、
夜に一人で肝試しをすることになった。他愛ない雑談から、いつのまにかそういう話になってしまったのだ。
「やめといた方がいいって」と俺たち四人は引き留めたが、竹田は鼻で笑い、
「じゃあ、必ず約束守れよ。俺が一人きりで朝まであそこで過ごせたら、お前らは俺に二千円ずつ払う。
もし俺が逃げ出したりズルをしたら、俺がお前ら全員に二千円ずつ払う。
証拠のハンディカムはちゃんと回しとくから」
『……っと、位置はこのへんでいいか。映ってるよな?
つーわけで、一人肝試しのはじまりはじまり。拍手~。
ハァ、朝までヒマだね、しかしこれ。
携帯もノートパソコンも駄目とは、自分で言いだしたものの、チト厳しい縛りだったかな。まあいいや。
さて、と。
このままボーッとしてるのもなんだからさ、ひとつ俺が、そう、霊なんか一切信じてないこの俺が、とっておきの『怖い話』をしてやるよ。
お前らのこと。お前たち『四人』の話。
……お前たち、まだ気づいていないのか?
違うだろ。本当はとっくに気づいてて、なのに知らないふりをしてるだけなんだよな。
……なあ、正直に言うよ。俺はいま、怖くてたまらない。
この廃屋がじゃない。お前たちが、だ。お前たちの視線が。
いま、こうしてお前たち『四人』に、俺を見られていることが。
怖くて怖くてしにそうだ。ずっと前から。
…………
どうやら賭けは俺の負けだな。ちゃんと払うよ、六千円は』
結局、竹田は俺たちに金を払うことはなかった。
ハンディカムの映像だけを残し、あの夜に廃屋から出たあと、突然失踪したから。
行方はいまだに知れない。
いまでもたまに俺たち四人は、竹田の残した映像を見る。
そのたびに不可解な気分にとらわれる。
いったい竹田は、俺たちの何がそんなに怖いのだろう。 - 68: 2018/05/20(日)16:06:44
-
>>52
これって4人のうち1人幽霊って事なんか?
それだけやと何か不可解やな - 53: 2018/05/20(日)15:42:04 ID:8di
- 『遺影の口』
ずっと昔の話。
小学1年の時に祖母が亡くなり、仏壇のある部屋でお坊さんがお経を唱えてた。
すると、お経に合わせて祖母の遺影の口が動いてる…。
その場では遺影がお経を唱えてるなぁ~なんてぼんやりと考えていて、その後の昼食の時にイトコのお兄さんにその事を話した。
意味が伝わらなかったのか、子供の戯言かと思われたのか分からないが「そんな事もあるんじゃない」と言われたもので、私も「そうなんだ」と納得して終了。
その2年後、今度は祖父が亡くなりました。
すると、またお経に合わせて祖父の遺影がパクパク。
しかも仏壇沿いの壁に掛けられていた祖母、曾祖母、曾祖父の遺影までパクパク。
さすがに異様な感じがしたので母にその旨を伝えようとしたが、めちゃめちゃ怒られたのでそこで終了。
それ以来お葬式に行くことがなかったので今はどうなのか分からないけど、妙な体験でした。 - 54: 2018/05/20(日)15:44:49
-
>>53
パクパクしとるだけなんか? - 55: 2018/05/20(日)15:45:19 ID:8di
- 『かわった日』
小学校に上がる前だと思う。
ある朝に目を覚ますと、隣で寝ている兄以外、家に人の気配がなかった。
家中を見て回るが誰もいない。
不安になって兄を起こそうと声をかけ、肩をゆするが目を覚まさない。
どんなに激しく揺り動かしても、ぐにゃり、ぐにゃり、とするばかりでしんでいるかのようだ。
私は怖くなって家の外に出た。雨が降っていて薄暗かった。
家の周りを泣きながら歩き回ったが、家の外にもまったく人の気配はなかった。
泣きながらまた家に帰り、ぐずぐずしていると、ふいに両親が現れた。
「どこにいってたの」と聞いても答えてくれず、
「お父さんはここにいるよ」「お母さんはここにいるよ」と答えるばかりである。
訳が分からなかったが、とにかく両親は戻ってきて私は安心した。
そこに兄が現れた。兄の顔を見た私は息を飲んだ。
そこにいた兄は兄ではなかった。
背格好は似ている。しかし、昨日までの兄、さっきまで隣で寝ていた兄と顔が全然違う。
目つきがきつい。鼻が細く高い。ほほがこけている。髪がぺたんとしている。
あの不思議な朝のようなことは、あれが最初で最後だった。
しかし兄自体は、それからもずっと兄とは思えない男の子のままだった。 - 57: 2018/05/20(日)15:46:19 ID:8di
- 『幽霊ごっこ』
南洋諸島のある島の子供たちは、幽霊ごっこをして遊ぶ
ルールの基本は単純な鬼ごっこなのだが、鬼が独特の掛け声をかけつつ走り回る
それは「グンソウドノ」「オイテカナイデ」「ミズヲクダサイ」というもの
もちろん、子供たちはそれが日本語だということを知らない - 58: 2018/05/20(日)15:48:44 ID:8di
- 『リモートコントロール』
変な夢なら見たことあるわ。
TVのリモコンなんだけど、
1を押すと母親が一階から自分を呼ぶ。
3を押すとケータイが鳴る。
4を押すと何故だか自分で部屋の電気を消す。
9を押すと呼吸ができなくなりしんでしまう夢だった。
先日、何気無くTVをみてて1チャンに変えてみた。
そしたら一階から自分を呼ぶ母親が・・・
まさか正夢?とか思いながら、興味本意で3チャンに変えてみる。するとケータイが・・・
信じられないくらい焦って、確認の為に4のボタンを押して、部屋の電気を自分で何故か消してしまった。
それ以来9は絶対に押せない。
リモコンはチャンネル切り替えしか使えなくなった。 - 59: 2018/05/20(日)15:50:32 ID:8di
- 『いもうと』
俺の家にいもうとが居て、いもうとと言っても人間じゃなくて、
何か赤ん坊くらいの大きさがある、照る照る坊主みたいな奴だった。
下の方のスカートみたいな部分を丸く結んだ感じ。まあつまり、『i』みたいな形の奴。
それを母親は「いもうと」と呼んでた。
俺がずっと小さい頃からそうだったから、幼稚園の頃まで俺は『あれ』が妹なのだと思ってた。
幼稚園にいる他の子で「妹がいる」と話す奴が居ると、あいつの家も『あれ』があるんだと思っていた。
俺の家の『いもうと』は、食卓に座ったり、ソファに腰掛けたり、家族として扱われているようだった。
食事時になると、母がそれを椅子の上に置いたりしてた。
そして、「いもうとが置いてある」みたいに俺が言うと、母はいつも怒った。
『座る』じゃないと駄目らしかった。
ある日。幼稚園で何かの拍子に、『妹』は普通『人間』だと知って、母に尋ねた。
「あれはいもうとじゃないよね?」みたいな風に。
そしたら母は猛烈に怒った。
「ふざけるな、何を言ってる。あれは絶対“わたしたちのいもうと”なんだ」と。
後から考えると変な言い方だった。
『わたしたちの』
こっぴどく叱られた後、それでも懲りず父親に同じ質問をした。
そしたら今度は、普段元気な父が、何か言いたいが言えないみたいな顔になって、
何も言わずに部屋にこもり、丸一日出てこなかった。
小3の時に、父がしんで三日もしない内に、母親と一緒に近くの山へ車で行った。
見晴らしのいい崖みたいな所で車が止まった。
いつも『いもうと』は外出しなかったけど、この日だけは車に乗ってた。
母は車から『いもうと』を降ろし、「あんたはここに居なさい」と言う。
何をするのかと思ってたら、
いもうとの首と胴体がくびれてる部分を、ばちんとハサミで切って、投げ捨ててしまった。
母はいつも『いもうと』を大切に扱ってたから驚いて、「いいの?」と訊くと、
「おとうさんがしんだから、もういいの」と言われた。
それから、母との間で『いもうと』の話は一切出なかった。
あれは一体何だったのか尋ねようとしたけど、先延ばしにしてたら去年母がしんだ。
この話、友人に話しても何が怖いのか訊かれる。俺自身は結構怖い。
何かの宗教とも思えないし…。何か解る人いない?いなさそうだけど。 - 62: 2018/05/20(日)15:54:38 ID:8di
- 『CD』
ある女性がお気に入りのCDを再生すると、CDに傷がついてしまったのか。
「さよなら、さよなら、さよなら」と、同じ箇所を繰り返し再生するようになってしまった。
その後あることに気付いた彼女は青ざめた。そのCDに「さよなら」という歌詞がある曲はなかったのだ。 - 63: 2018/05/20(日)15:55:51 ID:8di
- 『開かずのマンホール』
某県某市に、決して開かないマンホールがある。
その厳重さは、マンホールの内部に鉛を注入してある程である。
そして、そのマンホールの内側から何か物音を聞いた者もいるそうだ。
その地下には下水もガス管も地下鉄も存在していない 一体何に蓋をしているのだろうか - 64: 2018/05/20(日)15:56:36 ID:8di
- 『羊』
小学生の頃の冬の話、母親は台所で料理してて俺はテレビを見てた。
インターホンが鳴って、母親が出た。どうやら父親がいつもより早く帰ってきたらしい。
手が離せないからと言われ、俺は玄関の鍵を開けに向かった。
廊下の奥からドアを叩く音と、寒いー早く開けてくれーという父親の声が聞こえた。
小走りで廊下を駆けて、玄関をあけた。
父親の顔をした羊が俺の目の前にいた。
ドアを閉め一目散に逃げたが、母親は父親が帰ってきたと思っているので
なかなかリビングに来ない父を迎えに玄関へ行った。
鍵が開いているのに開けてくれと言ってるのを不審に思ったのか、母親はドアスコープから外を見た。
途端に悲鳴をあげ俺を抱えてリビングへ逃げた。
いそいで父親の会社に電話を掛けると、父親は会社にいるという。
玄関の外の声は確かに父親だったのにだ。
何分経ったかわからないが母親と抱き合ってじっとしていると、再びインターホンが鳴った。
母親の尋常でない慌てぶりと、ドアの外に何かいるという事を聞いた父親が
どうやら通報したらしく、警察の人が来ていた。
玄関口で警察と話していると父親が慌てて帰ってきた。
警察はまた不審者が来たら迷わず通報してくださいと言って帰った。
母親の話ではマンションの廊下を羊が埋め尽くしていて、中には俺や母親の顔をした羊もいたらしい。
父親の声を使ってドアを開けさせておいて我が家を乗っ取る計画だったのかと思った。
うちの家族だけでなく廊下を埋めるほどの羊がいたということは
ほかの住人は既に入れ替わっていて羊の家族と過ごしているのかもしれないと思うと
思い出して怖くなったので書いた。 - 65: 2018/05/20(日)16:01:33 ID:8di
- 『ノック』
これは友達から聞いた話。
受験勉強のために部屋で猛勉強してたら、夜中の二時ごろに部屋のドアをコンコンとノックされて、
「○○、夜食持ってきたからドア開けなさい」って母親が言ってきた。(ドアにはカギがかかってる)
でも○○クンはちょうど勉強に区切りの良いとこで休憩したかったので、「そこに置いといてお母さん」って言った。
そしたら、お母さんがそのまま階段をトントン降りていく音が聞こえた。
それから三時ごろになってまたお母さんがドアをノックして、
「○○、おやつ持ってきたからドア開けなさい」って言ってきた。
でも○○クンは「オヤツなんて別にいいよ」って答えた。
そしたら、
「うるさい!いいからここ開けなさい!!開けろっ!開けろぉ!!!!」って、急に頭がおかしいやつのように怒鳴りだした。
○○クンはびびって、開けようとしたんだけど、なんだか嫌な予感がして開けなかった。
そしたら、今度は涙声で「お願い……○○……ドア開けてぇ……」って懇願してきた。でも開けなかった。
んで、そのまま10分ぐらい経った後、「チッ」って母親が舌打ちして、階段をトントン降りていった。
でもそれからすぐに○○クンは思い出した。
今、両親は法事で田舎に帰っているということに。
あのときドアを開けていたらどうなっていたかと思うと、○○クンは震えたそうな。 - 66: 2018/05/20(日)16:04:10
- 夕方ってなんか時折深夜より怖いよね
- 67: 2018/05/20(日)16:05:15 ID:8di
- 『逃げて』
ある男のメールボックスに送信日が2042年のメールが舞いこんだ。
内容はただ一文「30年前の自分、逃げろ」
男は何から逃げてよいのか分からないのでとりあえず「逃げて」いないが、
それが分かるのは果たして30年後なのだろうか。 - 74: 2018/05/20(日)16:11:16 ID:8di
- 『天井裏に現れる階段』
俺が小三くらいまでは、よく二歳下の妹と家の中でかくれんぼして遊んでた。
二人とも自分ちのことなんか知り尽くしてるから毎回あっという間に見つかるんだけど、
俺は絶対に見つからない場所を知ってた。
2階の寝室の押入れに布団が片づけられてるときに、崩さずうまいこと登ると押入れの天井板に手が届く。
一番隅の板はまな板くらいの大きさで、横にずらすと天井裏が覗ける。
懐中電灯を持って入り、中から天井板を戻せば見つからない自信があったが、どうしても入れない事情があった。
カビっぽい匂いとホコリ、ヘンな虫がいそうってのも大きかったんだけど、
一番の理由は天井裏に階段があったこと。
板をずらして顔を覗かせたところから2メートルほどの場所に、手すりのついた下り階段があった。
手すりには、神社とかでお祓いに使う棒の先に蛇腹?に折った紙がみたいなやつがたくさん結んであった。
上半身まで出して懐中電灯で照らすと、下へ向かう階段の踏板までちゃんと見えた。
さっき言った理由と天井裏に階段がある意味が分からないこと、薄気味悪いのもあって一回も入れなかった。
何度か親にそのことを聞こうとしたこともあるけど、その話を妹に聞かれて隠れられたら見つけられそうにないし、
それでかくれんぼに負けたら癪に障るので、誰にも聞かず話さず自分だけの秘密にしてた。
中三になったとき、俺と妹の部屋を作るためにリフォームして壁や天井を引っぺがす工事をしたんで、
そのときなんとなく確認したら階段なんてなかった。
よく考えてみたらあるはずない。天井裏から階段があったとしたら寝室に必ず繋がるはずだから。
リフォーム後は寝室だった場所に妹の部屋ができ、押入れはクローゼットになった。
もちろん天井板も張りなおされて、今じゃ天井裏を覗く手段はない。
今俺は大学四年生で、これはつい先週の話になるんだけど、
リフォームのとき同じく2階に作られた俺の部屋のクローゼットを開けた。
卒業旅行の準備でのスーツケースを取り出すためだったんだけど、クローゼットの天井板なんかズレてる気がした。
普段注意して見るとこでもないから、もともとこうだった気もするし、そもそも天井板は一枚でがっちりとめられてた気もする。
けど、今たしかにズレているように見えるし、普段見れない天井裏を覗けるチャンスかもしれないので、
スマホの懐中電灯機能を使って中を確認してみた。
顔を出した位置から5メートルほど先、
妹の部屋のクローゼットの少し先の位置に階段が見えた。
一気に子供の頃に同じものを見た記憶が蘇って、よくあるオカルト話とかを思い出して怖くなった俺は、
すぐに天井板を戻して親のところに行った。
意味が分からないとか、そんなわけないとか言って全く相手にされず悔しかったので、
証拠写真を撮りにもう一度天井裏に顔を覗かせたら、今度は何もなかった。
親にはくだらない嘘をついたと思われたみたいで、どれだけ詳細に話しても信じてもらえない。
つい先週のことだからなんとも言えないけど、今の段階では特におかしなことも起きてない。 - 76: 2018/05/20(日)16:14:40 ID:8di
- 『従姉の葬式』
おれが小学3年生のときに、母の従姉がしんだ。
母の従姉と言っても、当時は中学生だった。俺はその家に行くと、よく面倒を見てもらっていた。俺はそのお姉さんによくなついていた。
葬式のとき、坊主がお経を読む。
もちろん、俺もそこで正座してお経を聴いていた。
ふと斜め後を向くと、俺と同じぐらいの歳の少年がいて、正座してお経を聴いていた。
奇妙だったのは、手をこすり合わせながら一心不乱に体を激しくくねらせ、
まるで踊っているかのようだったことだ。
俺はその姿を見て戦慄した。
一体こいつは何者なのか。
近所の子供なのかも知れない。仮にそうだとして、誰かの許可を得て入ってきているのだろうか。
第一、あの水俣病患者を思わせる、狂ったような激しい体のくねりは一体なんなんだ。
そんなことを考えながら、おれは視線を畳に落としてじっとしていた。
坊主のお経が終わったときに、もう一度振り返ってみると、やつは消えていた。
一体、やつは何者だったのだろう。初めて人のしに接して、敬虔な気持ちになっている俺の心に、暗い影を残してやつは去って行った。 - 78: 2018/05/20(日)16:18:26 ID:8di
- 『小さな町工場』
プロ占い師で、バイトでお祓いみたいなこともやってる友人から聞いた話。
「工作マシンの下を、たまに影みたいなものがスッと動く。軽い足音を聞いたという家族もいるから見てほしい」
という客の依頼で、ある小さな町工場を訪ねたら、確かに工場の中に5歳ぐらいの男の子がいた。
100年ほど前に亡くなったその家の先祖で、
彼には轟音を立てて動くマシンが大きなオモチャのように思えるらしく、
マシンが動き出すと嬉しくてウロチョロしてしまうのだそうだ。
座敷ワラシの類で実害はないのだが、その男の子は叱られると思ったのか、
「ボクのどーゆーところが怖いデスカ」と泣きそうな顔で聞いてきたので、思わず吹いたと言っていた。
その家は、工場の中にジュースやお菓子を備えるようになって、
以後、何事もなく過ごしているそうだ。 - 87: 2018/05/20(日)16:28:16 ID:8di
- 『空へ落ちる』
ある少年は、糸が切れて飛んでいく風船を指差し「風船が空へ落ちていく」と言った。
父親は、あれは飛んでいくと言うんだと説明したが、少年は聞き入れない。
困り果てた父親がその理由を尋ねると、少年はこう答えた。
「でもパパ、この前、悲鳴を上げながら空へ落ちていく人を見た」 - 88: 2018/05/20(日)16:30:25
-
>>87
悲鳴をあげながら上に落ちるとか呪いの館かな? - 96: 2018/05/20(日)16:34:31 ID:8di
- 『夕日が沈む前』
これは今から五年位前に実際に体験した話です。
当時、私は会社員で、妹は高校生でした。
その日、私は仕事から定時で帰宅し、リビングに入ってすぐソファーに寝転がって漫画を読みはじめました。
まだ夕方で、夕日が沈む前だったので電気はつけなくても充分明るかったのを覚えています。
しばらく漫画を読んでいたら、何やら二階から「キャハハ」と笑い声が聞こえてきました。
何人かの話し声がします。
あぁ、また妹が友達連れて二階で遊んでるのか。
と思って、気にせず漫画に集中しようとしてたんだけど、
だんだん二階で話しが盛り上がってきたようで、笑い声がどんどん大きくなってきました。
あ~うるさいなぁ。と思いながら気にしないように我慢していたんだけど、
やがて笑い声が「キャハハハハ」から、「ギャハハハハ!!!!」になり、床をダンダン叩き出しました。
しまいには、笑い声が叫び声になってきて、
「ギャヤァアアアアアアアヴヴヴヴヴヴひひひひゥボォォオオオオオ!!」
とか言いながら、リビングの天井の電気が揺れる位ダン!ダン!ダン!ダン!って蹴りまくってる。
獣の断末魔みたいな。マキシマムザホルモンのデスボイスみたいな声がずっと響いてる。
これには私もムカついて、「はぁ?ありえない!うるさすぎて近所迷惑になるだろ」
と、さすがにキレて二階に文句言いに行くことにしました。
リビングから出て廊下を歩き、階段を登ろうとした時に、ふ…と、おかしいことに気がつきました。
廊下の横に玄関があるのですが、
…あれ…?私の靴があるだけで…友達の靴どころか……妹の靴もない。
え?靴がない? じゃあ、今、この家に居るのは私だけ…!?
えっ?じゃあ…さっきの笑い声は…?
と、そこまで気づいた時に、顔をあげてしまったまま金縛りになってしまいました。
さっきまでの笑い声が消えて、家の中は静まりかえっています。
目の前には真っ暗な階段。
シーンとした二階は、暗くて何も見えない。
一気に恐怖が襲ってきて、怖くて早く逃げ出したいのに金縛りで動けずにいたら、
二階の奥(妹の部屋の方)から、…ギギ…キィィィッ…と、扉を開ける微かな音がしました。
私はもう恐怖で体中から変な汗かいて、顎がガクガクしてた。少ししてから、
…みしっ。………みしっ。
と、誰かが床を踏みしめながら歩いてきている音がしてきました。
階段のほうに、誰かくる…!
と思ったとき、がくんと力が抜け、パッと体が自由になり、一目散に階段を離れてリビングに駆け込みました。
リビングに入ったら、すでに部屋が真っ暗になっていたのでびっくりした。
いつの間にか日が沈んでいたのです。慌ててリビングの電気をつけて、テレビを大音量でかけて、
ソファーで丸まってぶるぶる震えながら、母の帰りを待ちました。
あの時、玄関の靴に気づかなかったら、一体二階で何を見てしまったのだろう…?
二階にいったい何が居たのだろう…? - 108: 2018/05/20(日)16:53:32 ID:8di
- 『ポケモン』
子供のころ、ゲームボーイのピカチュウバージョンを拾って
ラッキーと思ってその場でゲームを始めたら、主人公もライバルもポケモンも名前が全て
お か あ さ ん
になっていた。
気味が悪くなってその場に戻して帰った。 - 119: 2018/05/20(日)17:01:35 ID:8di
- 『電車』
幽霊列車の都市伝説はいくつかあるけど、
終電後に乗客満員の列車が走ってて、
その乗客が全員こちらを見てた(目があった)って話がぞっとした - 120: 2018/05/20(日)17:01:49 ID:tw@ba_mian77
-
>>118
草 - 121: 2018/05/20(日)17:02:02
- たしかに知らんの多いな
-
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ライター及び編集:kana
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始めの2つの破壊力がやばい
狸の提灯はあれでしょ、男女のもつれなり絡みなりを子供に見せまいとした親心じゃないの