1: 20xx/ミステリー master-
ほんの数年前に知った私の母の故郷の習慣の話です。
うちの集落にはハカソヤという女限定の変な習慣があります。
ハカソヤにも色々あって、大きく分けてお祝いの言葉に使う場合と、お守りのことを指す場合があります。
おすすめピックアップ(中間)
► 初めて見た幽霊に感動したときの話
・ 俺が新しい部屋で見つけたもの「神の棲む穴」
・ 深夜に恐怖体験をした「俺が幽霊を信じた瞬間」
► やたらワイに対して当たりが強い職場のジジイに「そこまで言われる筋合いはない」と言った結果
・ しずかちゃん「将来性の出来杉くん、運動能力の出来杉くん、性格の出来杉くんか…」
・ 【深夜のお笑い】いちばん笑った面白画像を貼っていけ
► 【一人暮らしの恐怖】フタの中に潜む女
・ 【リアルすぎる】みかんの皮で作った日本列島
・ 知ってても何の得にもならない「トリビア」を述べていくスレ
► ひっそりとした村の話「祖母の最後」
・ 【絶望】好きな子をデート誘ってOKをもらった「肝心なことを忘れていた」
・ 【トップバリュ】イオンの天ぷらそばを買った結果「恐ろしい事に気づいてしまった」
- 1: 20xx/ミステリー master
-
お祝いの言葉の方は、例えば初潮が来た女の子や恋人が出来た未婚の女性に「おめでとう」の代わりに言ったりします。
お守りのハカソヤは母親から一人前になった娘に手渡す安産のお守りのことを言います。
例えば娘が就職して実家を出て遠方に行くときなどは必ず持たせます。
この場合何をもって一人前とするのかは割といい加減で…。
家によっては初潮と同時だったり、就職やお嫁入りの時だったりとバラバラなのですが、とにかく安産のお守りなのは共通しています
(妊娠していてもいなくても。ていうかしてない場合がほとんど)。
両方に共通しているのは、 「必ず男性が見ていない、聞いていないところで」 と言うことです。
とにかく女性限定の習慣なので、男性もいる席でおめでたいことが判明したりしたら、 台所とかに呼んでこっそり「ハカソヤ、ハカソヤ」と言ったり、お守りを渡す時は男の子のお守りをほかの女性にたのんで…といった感じです。
とにかく男性にはハカソヤは徹底的に隠されます
(多分集落の男の人はハカソヤの存在自体知らない人がほとんど)。
- 1: 20xx/ミステリー master
-
私も都内の大学に進学して一人暮らしをはじめるという時に叔母からハカソヤをもらいました。
もらったのが母ではなく叔母からなのは、うちの母親はあまり迷信などに関して信心深いほうではなく、 こういった古いしきたりも嫌っていたからです。
母も祖母からハカソヤはもらっていたようですが、 私にはハカソヤはあげずに自分の代で途切れさせるつもりだったようです。
実際こういう習慣があるのを嫌って母は集落を出ています。
妹である叔母はお嫁入りも近所で済ませて祖母と一緒に集落に残っています。
ただ、それではあんまりおばあちゃんがかわいそうだから、それに都会は怖いところだから、 女の子には絶対いるものだからと言われたので
(後でここまで叔母が言う理由を知ってぞっとしましたが)
根負けして受け取った感じでした。
私がもらったハカソヤは見た目はどこにでもあるような安産のお守りです。
ちなみにピンク色。
- 1: 20xx/ミステリー master
-
そして東京に出て1ヶ月目。
情けない話なのですが、今まで住んでいた町に比べてはるかに華やかな東京の雰囲気にすっかり酔ってしまった私は、 大好きなカフェ巡りや雑貨屋通い、美味しいお店探しなどしているうちに、あっという間にお金がなくなってしまい、ジリ貧に陥っていました…。
なにせ今までいた街は、母の故郷の集落ほどではないにせよ寂れた町で、スタバ?バーミヤン?何それ?な感じでしたもので…。
バイトはまだ見つからないし、かといって一ヶ月目からお金を無心するのもどうかなと思い、 家中余ってるお金はないか探しまくったのですが見つからず。
そこでふと思い立ったのはお守りの存在でした。
昔の話によくあるベタなアレですが、お守りの中にお金を入れておいて、困った時にお使いなさい、みたいな気遣いの仕方がありますよね。
ひょっとしたらあのハカソヤの中にお金が入ってたりとか?
などと甘っちょろい期待を抱いてハカソヤを開けてみたんです。
- 1: 20xx/ミステリー master
-
ところが中にはお金など入っていませんでした。
入っていたのは形付けの厚紙と、小さい古びた布キレだけ。
2~3センチほどの、目の洗い木綿かガーゼのような布で、その半分ほどが茶色い染みで染まってて、乾いて固まってベコベコと波打っている。
ずいぶんと古い布のようで、地の部分も黄ばんでいました。
一体これは何なんだろうと思い、私は妙な方向に思考をめぐらせていました。
女の子の日の時汚れたものを放置しとくとこんな固まり方するんだよね…。
布が変な並打ち方して固まって…。
てことはこれ…血…? でも一人前のはなむけのお守りになんで血のついた布切れなんか? 時間が経つにつれて気になってしょうがなくなってしまい、とうとうお金の無心の電話にかこつけて、母に聞いてみることにしました。
- 1: 20xx/ミステリー master
-
でも一人前のはなむけのお守りになんで血のついた布切れなんか?
時間が経つにつれて気になってしょうがなくなってしまい、とうとうお金の無心の電話にかこつけて、母に聞いてみることにしました。
母は私がハカソヤを叔母からもらっていたことすら知らなかったらしく、驚いた様子でした。
「あの布は何なの?」
と聞いてみましたが、母はただ静かな声で
「酷いことが起こらないよう気をつけてね」
と言うだけで、結局何も教えてくれませんでした。
どうしても気になったので、今度は叔母に電話してみました。
久々に話した挨拶もそこそこに私はまくし立てました。
「あれは何なの?あの布は、あの染みは?」
叔母は、あれ、知らなかったっけと言う風に、さらりと言いました。
「何って、皿よ。女の子の。ハカソヤは男にひどいことされないためのお守りだって姉さんから教わらなかったの?」
一瞬何を言われたのか分かりませんでした。
叔母がしてくれた説明はこうです。
- 1: 20xx/ミステリー master
-
儒教が伝わる以前はどこの地方でもそうだったらしいけれど、日本はものすごく男女に関してフリーと言うか、
他人の奥さんを何か物でも借りるみたいに借りてはして、生まれた子は皆で村の子として育てるみたいな感じだったそうですね。
夜に行く事なんかも堂々と行われていたのが当然だったとか。
時代が進むにつれて一般的にはそのような価値観は薄れたのですが、うちの集落は依然としてこんな女性に辛い気風が残っていたそうで。
山奥にあるので情報が伝わりにくかったのと、この地方は貧しいし、冬には農作業も出来なくて、娯楽がそいった事くらいしかなかったのが関係してるのではと思います。
とはいってもそんな男に好き放題されて、十月十日誰の子ともおぼつかない子供をうまなければいけない女性の苦悩は並大抵ではなかったでしょう。
そこで女性達が鬱憤晴らしのためか、それとも本当に男達に復讐しようとしたのかは分かりませんが、作り出したのがハカソヤだそうです。
作り方は…聞いてておいおいと思ったんですが、亡くなって生まれた女の子の中に、産婆さんが木綿布を巻きつけて指をぎゅっと突っ込むんだそうです。
血が染み出たら、布をねじり絞って全体に血の染みを写す。
それで1人でも多くの人にお守りが多く渡るようにしたんだそうです。
- 1: 20xx/ミステリー master
- 血のついた部分が入るように、お守りに入る程度の大きさに切って出来上がり。
これがハカソヤの中身になります。
このハカソヤはいわゆる女性のお守りです。
おそそが血を流すことのないよう、幸せな瞬間を迎えられるようにという願いがこもっているそうです。
確かに、男達にとっかえひっかの中で、幸せな初めての体験をしたいって望む人が多いだろうなってのは分からないでもないけれど、 その子たちの幸せは…。
- 1: 20xx/ミステリー master
-
ハカソヤの役目はもう一個。
ハカソヤさえあれば例え手篭めにされても、男に呪をかけて復讐することが出来ると信じられていたそうです。
とある女が村の男に迫られて無理強いされましたが、その事の最中ずっと「ハカソヤハカソヤ」と唱えていたら、 男がいきなり悪路を口から吐いて亡くなるという言い伝えがあったようで。
だからハカソヤは独り立ちする女に渡されるのか!
自分を傷ものにする男を懲らしめるために! と、その時唐突に理解し、背筋がぞっとしました。
ハカソヤの語源は「ハカ・初めての夜」のもじりじゃないか?だとか、「(男に)吐かそうや」だったり「(男に一泡)ふかそうや」だとか、 「私を傷つける『粗野』な男は懲らしめてしまえ(墓)」だとか、諸説あることも一緒に叔母から聞きました。
個人的には一番最初の説じゃないかと思います。
お守りの性質上…。
で、あとはハカソヤって響きから連想した後付じゃないかと思っています。
「じゃあ、私はそんな呪いの言葉をめでたいめでたいって意味で使ってたの!?」 と驚くと、叔母は慌てて訂正しました。
「ハカソヤが向くのは男だけよ。女の人に向けていったら『幸せなはじめてを経験できるといいね』って意味になるから大丈夫。 だから男の人に聞かせたらいけないんだけどね」
- 1: 20xx/ミステリー master
-
昔は結婚まで交わる事なんかしなかったでしょうから、結婚する人に向かっては悪意などない、祝福の言葉以外の何者でもなかったようです。
今では婚前の事なんて当たり前のようになってしまったから、形骸化した挨拶になってしまっているようですが。
母の実家に帰るたびに変な習慣だなーとは思っていましたが、まさかこんな意味があったなんて…
しかもそれをいまだにほとんどの男性から隠し通している、あの集落の女性達のハンパない団結が怖いです。
村ぐるみで男の人を仮想敵にして、がんばってるみたいで…。
大体このどこの誰のかも分からないものが付いた布つきのお守りなんて、正直もっているのが気持ち悪いですが…捨てていいもんかどうか。
まさか叔母には相談できないし。
と思いつつまだ手元にあります。困った…。orz
ザ・ミステリー体験【おすすめ記事】
► 【宗教施設】地下へ続く階段へ入り私は別人にされた「 その17年後、自分を知る誰かから手紙が届いた」
・ 【岡山地底湖行方不明事件】地底湖で泳いだ大学生の現在
・ 年金の納付が原因で友達を失ってしまった
► あの老婆がいなければ私はこの世から消えていた「私を呼び寄せる電話 」
・ 転職サイトDODAに登録してるが企業オファーの実情が酷すぎる「ふざけるな!」
・ 【驚愕】2年間貯めた小銭を開封する「総額が凄すぎ」
► 【読めない】女の子の25%が読めない漢字「 山車」
・ 相席屋の女子の実態を話すことにする
・ 元コンビニ店員の俺が体験した衝撃的な事
► 【心理的瑕疵】神奈川県、座間市緑ケ丘6丁目アパート事 件の裏情報「3年前からすでに事故物件」
・ ビタミンCを1日2000mg摂取した俺の、30日後の身体の変化が凄かった
・ 同期の女に告白された…10年遅いよ。俺らもう36歳だぜ…
► 同期の女に告白された…10年遅いよ。俺らも う36歳だぜ…
・ さっき家の中で幽霊見ちまった「もう怖すぎてトイレ行けねぇ」
・ 自分で商売する時、簡単に金を稼ぐ方法を思いついた
ザ・ミステリー体験【人気の記事】
► 【サザエさん】穴子さんの問題発言が波紋「 はい、主婦を敵にしました!」
・ 別れようと思ってた婚約者から、今さらながら本音を聞いてみた
・ 友人がパラレルトラベラーだが国籍が無くて困ってる「どうすればいい」
► NHK集金代行業者「受信機が無くても受信料 払え」強引すぎる取り立てがYouTubeにアップされる
・ 【座間市アパート事件】現場中継の映像に映りこむ「あの世からのメッセージ」
・ 【鬼の一族】村に伝わる恐ろしい風習「まつり」
► 【魔物封じ】一番封じなくてはならなかったモノ/a>
・ 【完全犯罪】ワイ、初任給でジッジ(75)を二郎ラーメンに連れていく
・ 現在34歳の俺、中学同窓会のカオスな内容を話す
► 【倉敷蓋事件】本当に危ないところを見つけてしまった・・・「第一夜 ①」
・ 数年前ワイ「高級ホテルのスイートルームに泊まったろ!」ホテル支配人「お会計は47万円でございます」
・ 【社畜営業マン】冬のボーナスが信じられない金額だった
► 【最恐心霊スポット】慰霊の森のヤバさを教えてほしい
・ 稲川淳二の怪談「富士の樹海」
・ ニートのワイ、図書館であることに気づき絶望する
► 日本で本当にヤバイ場所を書き込むスレ
・ ワイ「あれ、ラーメン頼まへんの?」トッモ「まだ頼まんから先ええで」その後、信じられない光景 を目にした
・ 宇宙人や古代遺跡の謎「写真に隠された嘘と真実」
► ワイ「こんなクソ零細会社辞めてやる!」 社長「…」
・ 絶対に美味いのに過小評価されてる食べ物がコレ
・ 10代女子が選ぶ今年の流行語・3位にネット用語の「ンゴ」
► ザ・ミステリー体験「最新記事一覧」
記事探しにご活用ください
ワロタあんてな
まとめりー
にゅーぷる
2chまとめのまとめ
2chnavi
怪談・怖い話まとめアンテナ
異世界アンテナ
管理人からのお知らせ
ザ・ミステリー体験では皆さまからの投稿を受け付けております。
ご自身のホラー体験・不思議体験などありましたら、TOPページメッセージフォームよりお願い致します。
ザ・ミステリー体験フェイスブックページ
コメント