bandicam 2018-04-29 17-57-30-179


1: 20xx/ミステリー master
管理人です。

私達の住む日本には古来から受け継がれてきた様々な文化やしきたりがあります。

四季折々の風物詩や習わしなど実に多くの行事を長い年月繰り返し行ってきました。

その行事や風習・歌や言い伝えの中には、私達日本人が古来より大事にしてきたしきたりに隠された陰の歴史や忌まわしい、または、怨念が込められたエピソード が込められているようです。

このお話を読んで頂いた後には、ふとした瞬間に、いつもの日常とは違う何かが垣間見えてくるのではないでしょうか。

それでは、不思議で怖いお話を御覧下さい。


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1: 20xx/ミステリー master
今回のお話は『村八分』についてである。

この『村八分』とは、日本古来より行われて来た村社会・部落社会の中のしきたりの一つでもある。

現在でも、各地方の農村などではこの『村八分』がもとになった事件も数多くあるいう。

地方にある村などでは、『村』という括りの共同体を持つ性質があり、分をわきまえ、秩序を守り、何事にも協力しあって生活をする事が 重要視されている。


都市化が遅れている地域などでは、昔から村こそが大事であり、日常の生活の基盤を保つ為、村社会という「世間」に向き合い、お互いに田植えや屋根の補修 を手伝ったり、また冠婚葬祭はじめ様々な季節の行事を催し住民達が共同体として強い結束を図って来た。



であるから、村の掟(決め事)を破り、共同体作業に出ない者や、村に災いを持ち込んだ者(犯罪行為など)に対しては厳しい罰が課せられた。

その、罰は村によって違いはあるが比較的軽い制裁としてでは、「罰金」が挙げられる。

村に迷惑を掛けたお詫びの印として、金銭や米、酒などを提供させるのである。

また、火事を出してしまった者は寺などでの謹慎生活を余儀なくされる風習もあったという。

そうして共通する最も一般的な処罰では、『村八分』だ。

これは、村内での人付き合いを制限され、ほぼ無視され一定の地域に居住する住民が結束して交際を絶つこと(共同絶交)である。

また、この『村八分』は掟を破った本人のみならず、その家族も同様に適用された。


しかし、ある一定の事柄に対しては村人がやむを得ず手を貸す決まりがある。
それは火事と葬儀の時だけである。

これは、不手際があれば火事は燃えやすい家屋に延焼が広まり村自体に損害が発生してしまう恐れがあるからであり  、葬儀についてはそのままI体を放置しておくと村人へ疫病などの伝染を蔓延させてしまう恐れがあるからである。


この二つを「二分」として、残り「八部」を絶好することから『村八分』という言葉が生まれたという。

また、「省く」や「はじく」という類語を語源とする説もあると云われている。


しかし、掟に背き『村八分』となった当人が罪を深く反省し、その村の権力者や村長などの取りまとめ役に詫びを入れ 酒を振る舞うなどして、反省の気持ちが受け入れられれば『村八分』からは解放され事もあったという。。


だが、解放されたとしても村の寄合などの席では末席に座らせられ屈辱を与え、その罪の深さを思い知らせる行為が末代まで続くこともあったという。

また、殴る蹴るなどの激しい棒力や酷いものでは生き埋めや簀巻など実力行為にまで及ぶことも珍しくは無かった。

そして、村の掟破りへ与えられる最大の重罰は村からの追放である。

村から完全に排除する事だ。


先にも述べたようにこの『村八分』は過去のものではないのだ。


新聞沙汰になり裁判沙汰にまでなった事例がある。

2004年、新潟県の関川村の山あい36戸の集落で実際に『村八分』が行われていたのだ。

集落で開催したイワナの掴み取り大会に参加しなかった住民11人が『村八分』にされたのである。

ゴミの収集を拒否され、山での山菜の採取を禁止、回覧板を回さないなどの嫌がらせを受け裁判となった。

これは、当時『村八分裁判』と注目され新聞記事にまで発展した。
(2007年朝日新聞)


裁判の結果、差別された住人の勝訴。

古い因習は現代社会にそぐわない事を示す大きな判例となった。

しかしその後も同様の裁判は起きており、なかなかこの醜い『村八分』の因習を無くす事は出来ないようである。

これら『村八分』の行為は刑事罰とまではいかなかったようだが、民事的には社会的生活を揺るがす権利侵害である立派な違法行為を構成し、慰謝料や差し止め請求などを 含めた損害賠償の対象となる。。


閉ざされた地域ではこういった、村社会の闇深い業を含んだ『村八分』という因習が未だに行われ、訴える事も出来ず苦しんで逃れられないでいる人も少なくないのではないだろうか。


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