世界のニュースまとめ（ザ・ミステリー体験）

2: 2017/04/01 00:02: こんにちは管理人です。

みなさんは妖怪に出会ったことはありますか？

妖怪こそないにしろ普段の日常生活の中で、時折不気味な気配や闇に潜む怖さなど少しでも感じた方結構多いのではないでしょうか。

今回お届けする妖怪は世話になった寺へ恩返しをする「狸和尚」についてのお話を見ていきたいと思います。

1: 2017/4/01 00:02　master: 日本人なら誰もが知っている、化けの名手それが狸である。

世界的にも有名なジブリ先品やまんが日本昔にも登場する、メジャーな存在と言えるであろう。

また、絵師の鳥山石燕の妖怪画集にも数多くの狸が化けた妖怪は登場するが、今回ご紹介する「狸」は少し可哀想な話である。

1: 2017/4/01 00:02　master: 神奈川県鎌倉市にある建長寺裏山に昔、一匹の古狸が棲んでいた。その頃の建長寺はすっかり寂れてしまっており、住職も床に伏せりがちであったという。

この建長寺の住職に長年お世話になっていた狸は、一念発起し和尚に化けて何とかこの建長寺の山門建立の為資金集めの旅に出る事にしたという。

そうして、甲州街道の小田原宿本陣へようやく辿り着いた時のこと。

宿で一晩休むことにした『狸和尚』は、宿の主人に

「犬は必ず繋いでおくように。食事中も決して覗かないように」

と言いつけ部屋から一歩も出る事なく翌朝再び旅に出た。

この『狸和尚』の行動に不信を持った女中が、和尚の寝ていた布団を確認すると、なんと獣の毛だらけでで腰をぬかしたという。

次の宿場先では、この『狸和尚』は入浴中にピチャピチャと湯面をしっぽで叩いているところを見られたり、手を使わずに顔をお膳に突っ込んで食べる姿など目撃されてしまったという。

さて、このような姿態を見せられた宿の人々の間ではだんだんと「あの和尚は狸なのでは」と噂が持ち上がってくる。

そこで、とある宿場で休んでいた『和尚』の正体を暴いてやろうと考えた男が和尚の乗っている籠に犬をけしかけた。

『狸和尚』はびっくり仰天、そのまま犬に喉を噛まれ亡くなってしまったのである。

1: 2017/4/01 00:02　master: 男は、この『狸和尚』の首を斬り箱に入れて建長寺と馴染み深い寺へ持っていった。そこで箱を開けて見るとなんと、そこには人面をした石がごろんと入っていたのだという。

2: 2017/04/01 00:02: おそらく、狸は建長寺の和尚に迷惑を掛けたくない一心で命の尽きる間際に己の姿を隠し石へと化けたのであろう。

恩返しの旅が一転、なんとも可哀想な話である。

『怪物画本』の『狸坊』には、僧侶に化けた狸の姿が描かれている。

次回はどんな妖怪の話をしようか。それでは、次回をお楽しみに。