世界のニュースまとめ（ザ・ミステリー体験）

1: 20xx/ﾐｽﾃﾘｰ master: 僕の周りには人が寄り付かない

なぜなら僕の一家は呪われているから

祖父は突然夜中に叫びだしたりして近所でも有名な屋敷となっています。
当然お祓いも幾度となく受けてきましたが、手に負えない始末となり仕方なく隔離するという方法をとったのでした。

1: 20xx/ﾐｽﾃﾘｰ master: そして、この日ある事件が起こったのです。

「おじいちゃん、ご飯持ってきたよ・・・」

毎朝のご飯を届ける役目は僕でした。当時はまだ9歳で怖さもありましたが、祖父が豹変するのはいつも夜なので比較的安心していたのだと思います。

しかし、その日は違いました。

暗い蔵の中で光る眼。その目は黄色く、そして僕を見つめます。

「ひぃぃぃぃ・・・」

もうご飯の事も忘れて一目散に家へ駆けこみ

「お父さん！おじいちゃんの目が変！おじいちゃんが怖いよ！」

僕の声を聞きつけた父は竹刀を片手に現れました。

「どんな様子だった」

父に聞かれても目しか見てない僕は答えようがありません。

とにかく父の後ろに隠れて蔵へ向かったのです。

「父さん。どうしたんだい？」

父がおじいちゃんへ問いかけます。

中からは「シュー。。。シュー。。。」

怪しい息遣いが聞こえるばかりです。

そして、父の後ろから見たおじいちゃんは、まるで蛇のようにクネクネと地面を這っているのです。

部屋中を這いまわりながら「シュー。。。シュー。。。」と。

父も僕も茫然としながらその様子を見つめていましたが、このままではおじいちゃんの命さえ危ない。なんとかしなければいけませんがお祓いも効かない状態です。

「お前は家へ入っていなさい」

父がそう言い僕の背中を押しました。
僕は言われた通りに家に向かい縁側から蔵の様子を眺めていたのです。

「ぎゃああああああ」

叫び声が聞こえます。

「お母さん！お母さん！」

僕は今度は母と一緒に蔵へ向かいました。父の姿はなく、部屋の中へ入ったようです。

しかし、この後僕はこの世のものとは思えない光景を目にします。

「ひぃぃぃぃぃ」

おじいちゃんが父を飲み込もうとしてるのです。口があり得ない程大きく開き、父の頭はすでに半分程口の中にあります。

母も腰を抜かし僕も何も出来ずに父が飲み込まれる様子を見ているしかありませんでした。

とにかくこの場を離れなければいけない。僕は母の手をとり家へ引っ張っていったのです。

「どうしよう、、、お父さんが、、、」

母も僕も今みた事が理解出来ず、ただうろたえるばかりです。腕力もない僕はとにかく助けを呼びに行く事にしました。

「すいません！お父さんを助けて下さい！」

何件も周りましたが、みんな怖がり出てきてもくれませんでした。こうしている間にも父が完全に飲み込まれてしまうかもしれない。どうしようもなく怖くなりその場で泣き崩れてしまいました。

そこへ

「どうした？何を泣いてる？」

1人の男性が僕に声をかけました。

僕は父の事を話すとその男性はバイクの後ろに僕を乗せて家まで来てくれたのです。

母は僕の姿を見つけると駆け寄ってきてバイクの男性へ頼み込みました。

「お願いします。主人を助けて下さい！」

男性は一言「わかりました。家の中にいて下さい」と言い母から指さされた蔵へと向かっていきます。

僕と母は家の中から蔵の様子をうかがっていると、何やら男性がこちらへ向かって駆け寄ってくるのです。

「ここの土地神が怒っている！一緒に探して下さい！」

僕と母は何を言っているのかわかりません。

男性「お爺さんは蛇が嫌いだったのではないですか？」

母「確かに蛇を見ると追いかけていました」

男性「確証はありませんが、沢山の蛇が埋まっている場所があるはずです。早くしないとお父さんの命が危ない！お爺さんは蛇に祟られているんです」

僕と母、それに男性は庭と家の中をくまなく探しまわりました。
しかし、それらしい場所は見つからず気がつけばもうお昼近くになっています。

男性「このままではまずい。絶対に近くにあるはずなんだが。。。」

僕はその時ある事を思い出しました。おじいちゃんが自分の部屋の床下へ何かを隠す事を見た事があるのです。

「もしかしたらおじいちゃんの部屋にあるかもしれません」

男性は僕の手をとりおじいちゃんの部屋へ走りました。

男性「その場所はどこだい？」

「押入れの床下です」

僕と男性は押入れを開けました。

襖を開けた瞬間、異様な悪臭が部屋中に立ち込めます。

男性「ここに間違いないね。可哀想に。。。蛇たちはここに無残な姿で埋められているはずだよ。。。」

男性が言うように床下からは無数とも言える蛇たちが埋められていたのです。

母もこの光景を見て絶句。

男性「土地神様もこの中にいるはずです。全ての蛇たちを供養しなければいけない」

そう言うと男性はバイクから荷物を持って部屋へ戻ってきたのです。

男性「私は色々と仕事をしていまして、こういった供養などもやっています」

何かの紙を取り出しそのまわりに線香を焚いてお経を唱え始めます。

線香の煙がゆらゆらと部屋へ立ち込める中で僕は不思議なものを観ました。

煙が蛇の形になり部屋中をはいずりまわるのです。

そして煙は突然に消えました。

男性「少なくとも今はこれで十分です。二人を助けにいきましょう」

蔵へ向かうとおじいちゃんとお父さんはぐったりとした様子で倒れていました。お父さんの頭も吐き出されたのか無事です。男性は脈をみて二人の無事を伝えると母は救急車を呼ぶ為に家へ走っていきました。

男性「命に別状はない。二人は助かる」
僕は怖さと嬉しさで一杯になり涙があふれてきました。

退院した後、おじいちゃんは今までの事を悔やみ、蛇を弔う為に庭へ祠を建てました。

その後は家に異変もなくなり幸せに暮らしています。