bandicam 2018-01-12 06-22-20-131


54: 2014/06/07(土) 04:11:10.31 ID:SwL+5QN50
たぶん一年とちょっと前になるんだけど。
友達三人と連休使って田舎の旅館に泊まりに行った。
黒岩、向井、岸辺ってやつなんだけど、ちょうど予定が合って。
なんか怖いとか面白い話あったら聞かせろとか言ってたのは覚えてる。
どこ行こうってなった時に向井がちょっと古い雑誌を持ってきて、
はじっこに乗ってた安い旅館に行くことに決めたんだ。
岩手の××旅館って所で遠かったけど交通費と比べても安かったから、
黒岩の車に乗って泊まりに行くことになったんだ。
54: 2014/06/07(土) 04:11:10.31 ID:SwL+5QN50

千葉から岩手までは結構あったけど、それなりにみんな楽しかったし、
運転も免許みんな持ってたから順番に運転したんだけど、
ちょうど岩手県に入って高速降りたあたりから道わかんなくなってきて、
カーナビついてない車だったからな、迷ったんだと思う。
運転してたのがその時は俺で、出発したのが朝だったんだけどもう五時まわりかけてた。

まわりも暗くなりかけてきて、周りはほとんど森で、
まだ道路は整備されてたから進めてたんだけど、ほんとわかんなくなって、
地図が雑誌に載ってた小さい地図だけだったもんで、
あーマジ迷ったなって、四人で頭抱えて。看板とか探しはじめたんだよ。

大抵どんなとこにも看板ってあるから、それ見たらとりあえずどっかに行けるから
そこで道を聞こうと思ったんだけど、看板も一つもなくって、
通りかかる人も誰もいなかったから、このまま車で野宿になるかもって状況で。
森が多くてほとんど真っ暗になってきた。
56: 2014/06/07(土) 04:12:16.96 ID:SwL+5QN50
車のヘッドライトでなんとか進んでると、目の前に分かれ道が出たんだよ。
片方はコンクリで、もう一方がじゃり道だったんだけど、じゃり道のほうに看板があったんだ。

看板には俺達が行こうとしてた旅館の名前が書いてあって、
おっしこれで行ける、野宿しないですんだと思って、じゃり道に行ったんだ。
ただ看板はめちゃくちゃ古くて、まだやってるのかって不安になるぐらいだった。

文字がかすんでるみたいだったし、いまどき木でできてる看板だったし。
でも予約した岸辺がちゃんとやってる事確認してるし、予約もしたしで、
俺達、その道進んでしまったんだ。

ところが、じゃり道がほんとでこぼこしてて、車の中はすぐがくがく揺れるし、
へこんだところにたまってた水がびちゃびちゃ車体にかかるしで、
旅館造るんだったら整備ぐらいしろってみんなで言い合いしてると、
いきなり黒岩が「今、なんか通らなかったか?」って変なことを言い出した。

黒岩が言うにはなんか外を見てたら森の中を誰かが走りぬけていったって言うんだ。
こんな暗くなってる時に誰かいるなんて変だけど、いたとしても旅館の人かもしれないし。

話が聞けるかもしれないと思って車止めて窓開けて
「あのー、誰かいませんか、旅館の人ですか?」って叫んだ。
「やっぱり気のせいだったんじゃねぇの」
向井がにやついて黒岩をみてて、岸辺は真っ青な顔をしてた。

「誰もいないんスかー!」俺はもう一度叫んでみた。
そしたら突然ザザザザザザザザザザザザザ!!て森がざわついた。

俺が声をかけた方向だけがざわついて、奥の方からそれは近づいてきた。

「わぁあああああ!!」俺達は叫んで「早く車出せ!」と三人が俺に怒鳴った。


俺はアクセルを踏んで進もうとしたけど何故か車がなかなか動かなくて
ザザザザとどんどん音が近づいてきて、みんなパニックになってた。


もうだめだ、そう思ったときにやって車がガガって動き出して、
砂利道をかなりのスピードで俺達は走り出した。
57: 2014/06/07(土) 04:13:07.27 ID:SwL+5QN50
「なんだったんだよあれよ」
「知るかよ、お前が声なんかかけるからだろ」

俺と岸辺が話してると、黒岩がガタガタ震えて外をじっとみてた。
「なんだよ、まだなんかいるのか」って聞くと、
「見えた・・見えた・・!!」
「何が見えたんだよ」

運転しながら聞くと黒岩はもっとガタガタ震えて、
「お前ら見えなかったのかよ!すげぇいっぱいいたじゃんか!

頭が半分ないのとか、真っ黒なのとか、ぐちゃぐちゃになった子供とか!!」
ほんと棒れるぐらいにガタガタ震えて、ものすごい形相で黒岩が言ったんだ。


「冗談言ってんじゃねーよ!」


怖くなったのか後ろに一緒に乗ってた向井が黒岩を押さえつけたら、
黒岩がぐるっと車の後ろの方を見て

「ぎゃあああああああ!!!まだいるじゃんかぁああ!!!
振り下ろせ!!!スピード上げろ田部ぇええええええ!!」
って大絶叫して、運転席に飛びつこうとしやがった。


助手席に座ってた岸辺も向井と一緒になって黒岩を押さえつけて、
俺は必4に事故らないように車を走らせた。


「ぎゃああああああああ!!!いるいるいるいるいるいるいるいるいるいる
いるいるいるいるいるいるいるいるいるいるいるいるいるいるいる!!!!」

黒岩は狂ったみたいにそう叫びつづけて、
最後に大きく「ギィーーーーー」と変な声をあげて、失神しちまった。

どれだけ走ったか、やっと俺達はコンクリートの道に出た。
黒岩は失神したままで、みんな真っ青な顔をしてた。
道のそばに小さな民家が見えて、俺達は道を聞こうと車から降りた。
58: 2014/06/07(土) 04:13:48.02 ID:SwL+5QN50
チャイムを押したら民家からすぐに女の人が出てきて、
「あら、どうしたの?」って不思議そうに俺達を見て
「あの人は?」って、俺達の車を指差したんだ。

振り返ると車の前になんか黒い人影みたいなのがいて、中を覗きこんでいた。
黒岩じゃなかった、黒岩はあんな服着てなかった。
ぼんやりしていて、人間じゃないみたいだった。

呆然と俺達が車を見ていると、黒岩がふらふらと操られたように車から出てきて、
俺達に向かって、ゆっくりと手をふったんだ。

「ジギャラ来た、ジギャラ来た」

それが黒岩の声だったのか、黒いものの声だったのかわからない。
次の瞬間には、黒岩は俺達が来たじゃり道の方向に駆け出して行ったんだ。

「ギャーーーーッギャーーーーッギャーーーーッ!」
甲高い叫び声みたいなものを何度もあげながら、黒岩は森の中に消えていった。
森の奥のほうでまたザザザと音がして、遠ざかっていった。

警察に通報して捜索が行われたけど、黒岩は見つからなかった。
なんどもあの森は昭和から何人も行方不明者が出ていて、
誰一人として4体すら見かっていないらしい。

富士の樹海と同じような場所だそうだ。
それと俺達が行こうとしていた旅館は、
昭和何年かに火事で全焼して、今は別の場所に移転していた。

あの看板はその当時のものだったらしい。
59: 2014/06/07(土) 04:14:28.96 ID:SwL+5QN50
俺達は黒岩に会うこともなく千葉に帰ることになった。
帰る途中、森の入り口に小さいおじぞうさまがあった。
何故か、真っ黒なおじぞうさまだった。

いまだに黒岩は見つかっていない。
それどころか、今度は岸辺と連絡がつかなくなった。
もしかしたら、岸辺も黒岩と同じものを見てしまったのかもしれない。

黒岩が変なものを見たときに、岸辺も真っ青な顔をしていたから。
俺と向井は見ていないからたぶん平気だと思う。

でも俺は声をかけたわけだからどうなるか分からない。
平気だと思いたいけどマジで怖い。

そういえば岸辺からいなくなる前に電話があった。


ジギャラ来たって。


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