2: 2017/04/01 00:02-
こんにちは管理人です。
みなさんは妖怪に出会ったことはありますか?妖怪こそないにしろ、普段の日常生活の中で、時折不気味な気配や、闇に潜む怖さなど少しでも感じた方結構多いのではないでしょうか。
今回お届けする妖怪は母親の思いが石に宿るという「夜泣き石」についてのお話を見ていきたいと思います。
それでは不思議な世界をお楽しみ下さい。
- 1: 2017/4/01 00:02 master
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「夜泣き石」に纏わる話は全国に広く伝承が残っている。
石から音がする、石が喋る、などの怪異な現象で伝えられているものが多いと云われている。
中でも、最も有名であるのが静岡県掛川市の小夜の中山峠に伝わる「夜泣き石」の伝説であろう。
それでは、伝説の話を見てみよう。
昔、身重の女が中山峠に差し掛かったところで陣痛に見舞われた。そこで、近くにあった大きな石に身をもたれて休んでいた。 そこへ、刀を持った男が通りかかり、身重の女をアヤメ、金を奪い逃げ去った。幸い男の差した刀の切っ先は、お腹の子供にまでは届かず、母親は亡くなったが、赤子は何とか力をふりしぼり無事に産まれたという。
その後、我が子を思う母親の怨念が石に乗り移り、助けを求めるかのように毎晩泣いたという。その願いが叶ってか、泣き声を聞きつけた近くの寺の僧が、丸石のそばで、息絶えていた母親と、泣く力もなく弱っている赤子を見つけたのだった。
赤子は寺に引き取られ、名前を「音八」と名付けられすくすくと育っていった。そうして時がたち、やがて音八は成人を迎える。音八は、刀研師となったという。
ある日の事、音八のもとにひどく刃こぼれした刀を持ち込んだ客がいた。音八は客に理由を尋ねると「以前、小夜の中山峠の丸石付近で身重の女を斬った時に石に当たった」と語った。音八は、今目の前にいる男が母をあやめた人物であると悟り、自分がその時腹の中にいた子供だと名乗り男をその刀で切り捨て、母の仇討ちを果たしたのだった。
また、冒頭で紹介した、石が話すという怪異については岡山県鑑野町辺りにあったという「杓子岩」が、通りかかる人に杓子を突き出し「味噌をくれ」と話したという。
鳥山石燕の『今昔鬼拾遺』にある「夜啼石」の絵図には赤子が丸石にへばりつく姿が描かれており(国立国会図書館蔵)江戸時代の浮世絵師、歌川広重の芸術作品『東海道五十三次 日坂』にも小夜の中山峠の丸石が描かれている。
- 2: 2017/04/01 00:02
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遠州小夜の中山にあり この身が消えて亡くなれども、愛しい我が子の身を案じ、ゆけぬ極楽、いかぬは地獄、空蝉の泣かぬ子供に、さりとて手を伸べてみよ
さて次回はどんな妖怪の話をしようか。それでは、次回もお楽しみに。
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